2012年3月31日土曜日

春くる


 東京でも、桜の開花予想日まであと少しと言われています。近くの雑木林に行ってみると、すっかり葉を落としたクヌギ林の明るい林床の落ち葉のあいだからスミレが咲き始めていました。自然はスゴイなと思うのは、このタイミングでないと、この場所には光が届かず、受粉に必要な虫たちも来ないことをスミレは知っていて、雑木林のトップを切って花を咲かせているからです。南向きの斜面に咲いているスミレを見て命の強さを感じた朝のひと時でした。もう木々の芽は動き出しています。ウグイスも、これまでの地鳴きではなく「ホー・ホケキョ」とさえずりを始めているヤツもいますね。春本番前の、まだ静かな雑木林です。

2012年3月27日火曜日

議会改革のための講演会


 3月25日に市議会研修会がおこなわれました。市議会が取り組んでいる議会基本条例制定に向けた講演では、講師に元栗山町議会事務局長の中尾修さんをお招きして栗山町のケースについてお話を伺いました。講演会後には「ざっくばらんトーク」として、参加した市民の皆さんと市議会議員がテーブルごとにグループワークをおこない、それぞれのテーブルごとに分かれてテーマを決め、ディスカッションしたわけです。私のテーブルのテーマは反問権、市議会会派、議会報告会について、3テーマについて市民皆さんからご意見と質問を伺いました。反問権とは、議員が議会でおこなう質疑に対し、現在小金井では認められていない反問、つまり答弁者側が議員に対して質問の趣旨などを逆質問することですが、市民から見て議会の答弁が同じ内容の繰り返し、ひとりの議員が長時間質問し続けることが奇異に見えたのでしょうか。
参加した市民の皆さんの関心は、議論の中身がわかりにくい、休憩の理由が不明・・などあると思いますが、総じて感じたことは、皆さんの関心は高いこと、活発で建設的な議論ができる議会を求めているということでしょうか。小金井市議会は、委員会協議会から傍聴を認める開かれた議会で、議員の質問時間の制限もない自由な議論と、ひとり会派を認め少数意見を尊重する議会です。しかし、ごみ処理施設、市役所庁舎、交流センターと南口再開発の問題は長年解決が出来ていません。(市民交流センターは取得しましたが、全体共有部分の管理規約は未設定)進んでいる議会なのになぜ混乱が続くのか、という素朴なご意見も頂きました。また、会派に埋もれて議員個人の意見がわかりにくいというご意見も・・・。このご意見には激しく同意。。。
 市民の方からのご意見や疑問には、このような意見交換を重ねて理解していただくことの大切さを感じました。そして、グループワークを設定する議会の側にももう少し慣れが必要かと思います。テーマを決めて建設的な議論をおこない、参加者全体で共有するための工夫をすれば素晴らしい取り組みになるものですからね。今回の講演会のセッティングには議会運営委員会が中心となり進めてきたわけですが、過密な議会日程の中で、独自の取り組みを進めていることに敬意と感謝をするところです。今後も議会全体のコンセンサスを取り、各会派で協議する時間を充分に確保できるようなスケジュールで議会改革に取り組んで頂きたいです。
 中尾さんのお話を聞いていて、個人的に最も印象に残った言葉があります。「この議会は社会的に弱い立場にある方の、発言できない、声にならない声をどれだけ取り上げる議会なのかを聞きたかった」と言われたこと。この質問に議会として答えることはできなかったのですが、「そうなんだ。その通り。それが議会に携わる私の仕事なのだ」・・と頭をぶんなぐられたような思いでした。定例会が終わったばかりで睡眠が足りずにぼんやりしていた頭を覚醒させ、胸の奥から何かが込み上げてくる熱い言葉で、もう一度しっかりと胸に刻んでおきたい一言でした。

2012年3月22日木曜日

3・11防災訓練

東日本大震災から1年のこの日、私の地元、そして私が会長をさせていただいている貫井南町東自主防災会で防災訓練を実施しました。
 訓練会場の公園で参加者はまず受付を済ませます。受け付ける防災会にとっては、一時避難所運営の受付のシュミレーションになるわけで、すでにここから訓練は始まっています。この時に2つのグループに分かれてもらいます。冒頭、震災の犠牲者と被災者に黙祷を捧げ訓練のスタートです。

 2グループがそれぞれのコースに分かれて、それぞれが防災ポイントをチェックしながら一時避難場所の中学校を目指します。

 参加者は、お渡しした地図と写真を参考にチェックポイントを探しつつ歩いていきます。ポイントはこのように道路上の消火栓や防火水槽などをポイントしました。一般の方は、まず見ることがない消火栓の仕組みを見てもらっています。

 ここは避難所になる中学校の備蓄倉庫。ここも普段はなかなか人の目には触れないところ。倉庫の中には何が入っているのでしょうか?実際には避難所立ち上げに必要なもの、非常用の食糧や毛布などが収められていました。

 学校のプールって、巨大な貯水槽なんです。断水しても有効な消防用水利として活用するための体験として、防災会の可搬ポンプをプールサイドに持ち込んで放水体験です。子どもさんの生まれて初めての放水体験はどうだったでしょうか?未来の消防士誕生ですかね?

 こちらは消防署消防隊が使用するプロの装備です。画像は、最新の「ガンノズル」。このホース口径は65㎜です。一般的にホース口径が大きくなると比例して放水の反動も大きいのですが、このタイプは反動が少ないのが特徴で、火災現場での取り回しに優れるという利点があります。青いレバー操作で放水します。

 当日お世話になった小金井消防署第一小隊長から装備と放水体験の説明を受けています。

消防署のポンプ車の放水体験はなかなかできませんよ。地元在住の西岡都議も、近所の方と訓練に参加しました。可搬ポンプとはまったく違う手応え、放水量もケタ違いで、その分、火点を制圧する力が大きいことになります。

機材の運搬にリアカーを使ってみました。可搬ポンプなど、様々な機材を運んでみました。今どきリアカーって貴重なんですよ。

 スタートした公園に戻り、給食給水班の女性陣が作ってくれた豚汁をいただきました。材料は参加者の一品ずつの持ち寄りです。これも大事な炊き出しの訓練です。薪を用意してかまどを使ってみました。いやー、たいへんおいしかったですよ。ご馳走様でした。

 この日の訓練は、まずまずの天気のもと、78名の方が参加。町内の消火栓、防火水槽、画像にはありませんが、近所の農家さんの井戸も見せていただき、一時避難所になる中学校などをラリー形式でめぐるという初めての試みでしたが、企画した私たちにとっても、地域の防災資源を改めて見直すいい機会になりました。
 震災が発生すれば断水、停電、都市機能は失われ、行政、消防の活動はまず期待できないという最悪の状況で、いかに被害を減らかを地域の皆さんと一緒に考えていかなければなりません。例えば、まずは家具の転倒を防いで、自宅で被害にあわない、火災が起きたら消火器で消せるうちに消してしまう・・・などの対策で私たち自身が災害に強くなるのです。震災後の一年は、犠牲となられた方の喪に服す一年だったわけですが、これからは、この経験を地域が生かす工夫に取り組む一年にしなければなりません。

2012年3月21日水曜日

賀川学園見学

2月24日に賀川学園の見学に伺いました。賀川学園は小金井市貫井北町で昭和55(1980)年から社会福祉法人雲柱社が開設している就学前の知的障がい(主に自閉症)通園施設です。このような施設見学の場合、デリケートな子どもさんが療育中の時間帯に見せていただけることはなかなか難しいのですが、今回無理を言って見せていただくことができました。同行した市民3人、市議が鈴木を入れて2人、合計5人でおじゃましました。中村施設長が応対してくださいました。

 
 敷地は、同じ法人が運営する保育園が南側に、東側には福祉作業所が隣接しています。建物は2階建て、1階は通園部門の3クラスと給食調理室と事務室。2階は個別訓練室、大ホールなどがあります。通園部門は年齢別に3クラスで定員が32名。先生1名に対し児童3名の比率で受け持ち。その他に保育園や幼稚園に通いながら日にちを決めて通園する併行通園部門の定員が30人。こちらの利用が増えてきているということです。社会福祉法人立なので、3分の2の児童が市外から通園しています。このような規模の施設には珍しく給食を実施していることも特徴のひとつです。障がい児児童デイサービス制度が障害者自立支援法から児童福祉法上の制度に変更される影響については、賀川学園の事業を制度上の「発達支援センター」化し、これまで別施設「桜の木」で行ってきた放課後事業をそのまま引き継ぐことで、児童福祉法の障がい児通所支援の放課後等デイサービスに移行できるということです。
 雲柱社は、他にも小金井市内で福祉作業所1か所、生活実習所(市の受託事業)、グループホームを4か所(20名入所)を運営、都内の学童保育、児童館、子ども家庭支援センターを受託、運営している大規模な法人です。しかし今回の制度変更には、現場の職員体制などの整備が間に合わずに苦労しているというお話もありました。また、例えば現在検討中の子どもの発達支援施設の業務にしても、同様の業務を行う法人が、少ない利用者を取り合うことがおきないように、市がおこなう事業を整理し、市のビジョンを示すべきではないかともお話でした。制度変更による混乱は他の施設からも同様な意見を聞いています。特に小規模な事業所ほどその影響が大きいということも問題です。新たな放課後等デイサービスの基準に適合しない場合は、事業所がこれまで継続してきた事業をあきらめざるを得ないケースもあり、都が独自に補助金交付を延長するとの話もありますが、制度の持つ根本的な問題解決には至っていない現状に深く考えさせられるところです。

2012年3月13日火曜日

みどりの子ども館


2月17日に、武蔵野市の発達支援施設「みどりの子ども館」を見学しました。以前から気になっていたのですが、今回、武蔵野市の内山さと子市議のご紹介で設定していただき、小金井市の発達支援を考える市民の方と、小金井市議会議員5名で伺いました。

壁一面に描かれたアートが印象的なエントランス。

都営アパートの1階を利用した施設で、ここはプレイルーム。収納を使った間仕切りの向こう側はランチルームにも使えるスペース。給食はセンターキッチンで調理したものを施設のミニキッチンで配膳しています。配慮食(きざみ食など)の対応も行っています。

こちらはトイレ。かわいらしい色づかい。壁のモザイクタイルがいいセンス。



収納扉はスライド蝶番(ヒンジ)で開いた状態で邪魔にならぬように引きこみ式に工夫されています。








誰でもトイレはバリアフリー新法によって設置義務がありますが、障がい者にとって本当に使いやすいものかどうかはまだ検討の途上にあることを最近知りました。介助者なしで使える工夫が必要です。

こちらは相談部門「ハビット」の入り口。右側にみえる丸窓は観察のための覗き窓にになるために踏み台があるのがわかりますか?

広さがあると子どもたちに人気のボールプールも常設できます。

こういう細かい工夫に目がいくようになりました。いたずら防止でしょうか。収納扉にはチャイルドロック。


施設長に伺ったお話・・・。
・都営アパート1階にある施設は都から無償で借りている。運営は市の外郭団体の社会福祉法人武蔵野が指定 管理で運営。運営費は年間8千万円。ただし委託料には消費税がかかってしまう。
〇「ハビット」は相談支援。市内各所にあった相談を1か所に集約した。対象は0~18歳。作業療法士、理学 療法士、臨床心理士などの専門職を法人の常勤で雇用していることが特徴。直接支援は就学前まで。
・療育指導、相談は登録制で月1回。療育は多摩療育園でおこなう。
・親子通園クラスはグレーゾーン対象。1回1時間で、午前中に2回実施。幼稚園、保育園に通園しながらの並 行通園を受け入れている。
・施設訪問事業(巡回指導)は夏前と秋の年2回。公立保育園を巡回している。私立幼稚園は無料で巡回。約 半数が受け入れるようになった。
・・就学支援シートは22年から使っている。就学判定にハビット職員が同行するが、就学支援シートの活用 は出来ていない。
〇「ベこの子」として運営していたものを自立支援法移行で「ウィズ」に変えた。職員は6名。給食あり。
 車2台で送迎。
・移行支援「のびのび」と卒園児対象の「つばさ」は小学1年~3年生。放課後対策でもある。
〇「おもちゃのぐるりん」の対象は一般の子ども。開放型遊び場としている。障がい児だけを対象にしていな いが、人気が高いためになかなか利用できないので、新たに障がい児の日を作った。23年度はハビットに3 件つないだ。運営は社会福祉法人武蔵野が、(財)武蔵野子ども協会に委託している。職員は2名。
施設の概要は以上。業務ごとに施設を使い分け、支援の工夫をしている印象です。法人が各所でおこなってきた事業をここに統合していることがわかりました。これは個人的な印象ですが、連携について、就学判定など学校教育との連携に課題を感じている様子です。部署を超えた連携が重要なことを再確認することになりました。小金井市でも重要な課題です。
また、「ぐるりん」を受託している「子ども協会」は他に公立保育園の受託先となっていて、今後も民間委託の受け皿になっていく団体だそうです。
やはり施設を実際に見てみると運営に様々な工夫があり、そこで仕事をしている方のお話を直接伺い、いい勉強になりました。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...