2015年12月14日月曜日

市民が支えた西岡新市長誕生しました!



昨日投開票が行われた小金井市長選挙は、前都議で無所属新人の西岡真一郎さん(46)が激戦を制し初当選しました。選挙当日の有権者数は94,952人に対し投票率は41.42%でした。

西岡さんはジャノメ跡地に福祉会館、老朽化した図書館本館を併設した総合庁舎を早期に建設することを訴え、「小金井の未来を作る会」の市民の皆さんとともに活動し市民の支持を広く集め、次点となった五十嵐候補に2,801票差で当選を果たしました。当選が決まった後西岡さんは「市役所問題に決着し市政の停滞感を打ち破る政策が多くの市民に受け止められた」と語りました。

選挙中は駅前だけでなく住宅地やスーパーの前など市内の隅々を回り政策を届けた日々。様々な方から「頑張れ、応援してるよ」とのお声かけをいただき候補者共々元気をいただきました。


選挙翌日の朝、武蔵小金井駅南口にて市民ボランティアの皆さんと当選のご報告をさせていただきました。これまた多くの方より「よかったね」、「おめでとう」とのお声かけをいただきました。
選挙は終わりましたが、これからが市政改革の本番です。「市長の最大の抵抗勢力は市議会」などということにならぬよう、ワタクシも市議会議員の一人として円滑な議会運営に汗をかいてまいりたいと思います。市民の皆様には、今回頂いた支援を引き続き西岡新市長に賜り、市民が支える西岡市長のもと、新しい小金井市づくりに皆様のチカラをお貸しください。

2015年11月24日火曜日

この子の困りごとはなんだろう?2


11月22日(日)に、「わいわい会」(児童発達支援センターきらりの発達支援事業の通称「ぴのきお」の利用者を中心とした障がい児保護者の集まり)、ひまわりママ(発達にアンバランスのある子どもの親の会)、黄金ネットワーク(障がい児の父親の会)の主に3つのグループが、学芸大学特別ニーズ教育分野の高橋智研究室の支援をいただき、ゆるやかな連帯と協働によって活動している『(仮)こがねい発達支援ネットワーク』の取り組みの2回目となる「ケースカンファレンス②」が行なわれた。


小金井市の車いすユーザの子どもは、都立特別支援学校肢体不自由児対応の学校への就学を勧められる。知的な発達に遅れがない場合も原則は変わらない。
市内の小学校や中学校の通常学級でも、児童になんらかのこだわりがあるなどして個別に支援や配慮が必要な場合には、保護者が付き添いを求められているケースがあるのだ。
保護者がこうした「原則」を超え、例えば兄弟が通う地域の小学校への入学を希望する場合は、就学相談の過程で付き添いを求められることになる。多くの場合はボランティアなどは見つけるこtができずに付き添いは保護者が行っているのが現状だ。
またあまり知られていないが、都立特別支援学校の肢体不自由児対応校であっても痰の吸引や経管栄養の注入など、医療的ケアが必要な場合保護者は学校の控え室で待機することを求められる場合がある。
今回はこの3ケースをモデルに参加者と行政担当者が、ともに対応策について考えるケースカンファレンスを行い、その後、行政担当者も含めた参加者でグループディスカッションし、問題の共有と解決策を探った。
これまでのように、行政担当者に対して集団で保護者ニーズを訴え、制度の拡充を求める「集団交渉型講演会」ではなく、できるだけ冷静に子どもの困り感の現状を伝え、行政とともに解決策を探るこの形は、地域の問題として地域の皆さんとともに解決策考える建設的な議論ができるのではと感じている。

今回のケースカンファレンス②はわいわい会のリード。毎月1回の意見交換を重ね、さらに行政担当者と当事者に対する取材を行って本番に臨んだ皆さんの努力が多くの参加者を会場に集めて問題を共有する機会を作ることになったのではないだろうか。特に今回は医療ケアが必要な重症心身障がいのケースを取り上げたので地元桜町病院のドクターにも参加いただき、医療連携の必要性についてもご意見をいただけたことは手応えのある収穫だった。
以前も感じたが、ケースを紹介し対応を考えていく中でポイントと感じたのが、やはり「きらり」の存在だ。様々に支援や配慮が必要な子どもたちと保護者にとって、小金井市の児童発達支援センター「きらり」が保護者のニーズにどう応えるのか。民間の社会福祉法人に業務委託しているが、公立の施設なのである。業務内容について法人にどのようなオーダーを出していくのか、検討して細部の詰めを行うのは行政の仕事ではないだろうか。こうした点でもまだまだ行政の役割は大きなものがあると感じている。きらりの存在が重要だからこそ、行政が施設に託すテーマをより明確にするべきと感じるし、学校教育と福祉の問題を別々に捉えてよその部署の問題と考えている間はこうした問題の解決は難しいはずだ。
保護者の付き添いの強制の問題についても、きらりが主体となって学校と関わることで、ある程度の共通ルールを作り出すことができると思うのだが、これは甘い幻想だろうか。

来年4月からは障がいを理由とした差別を禁止する条例が施行される。この条例では当事者に対する合理的配慮の提供が行政や事業者の責務とされていることが大きな特徴である。今回取り上げた3つのケースにとっての合理的配慮とは何か。その答えを出す時が近づいている。

2015年10月30日金曜日

行政こそが行うべき仕事とは何か

様々な支援や配慮が必要な子どもたちの放課後の居場所として、平成24年4月から児童福祉法に位置付けられた放課後等デイサービス事業は、小金井市でも児童発達支援センター「きらり」が25年10月に運営を始めて以降、民間事業者も参入し、学校とは違い異年齢の子どもが一緒に放課後をすごす貴重な場として定着し始めている。しかし「きらり」では重症心身、特に医療的ケアが必要な場合の入所を認めていないため、公立、いや正確には公設民営の「きらり」こそがこうした子どもを受け入れるべき、と再三要請してきたがこれまで実現できずにいた。しかし今年6月から事業をスタートした放課後等デイサービス事業所「おもちゃばこ小金井」が、こうした子どもの受け入れを前向きに検討していることを以前施設を見学させていただいたときに知り、昨日(10月29日)重症心身障がい児の保護者とお子さんを施設にご紹介し、施設利用が可能なのかについて、施設長、児童発達支援管理者、看護師さんと直接面接していただいた。その結果、施設の条件が整い次第「お試し預かり」から始めることが出来そうとのお話をその場でいただくことが出来た。
鼻にチューブが入っていたとしても、また胃瘻の場合でも常に医療ケアが必要というわけではなく、支援の度合いはひとりひとり様々に違うはずだ。これを一律に「医療ケア」とひとくくりにして利用を断ってきた「きらり」を運営する小金井市の方針もどうかと思うが、こうした議論とは全く別に、受け入れに前向きな事業所の職員さんの熱意によって可能になったわけだ。
これまでは放課後や休日にはこうした子どもさんの居場所はないので、兄弟の学校行事などを諦めていた保護者からの切実な要望をお聞きしていながら、ずっと実現できずにいた自分の中の大きな懸案がようやく解消に向かって動き出した。
しかし受け入れを決めてくれた施設側でも、増加する利用者に応えるスペースが不足しつつあり、早急に新しい施設を増設する必要に迫られていて、不動産物件探しと、指導員や看護師などの人員確保が急務だという。どれも手間と時間がかかるわけで、こうした問題に向き合いながら日々子どもたちを受け入れている施設職員の皆さんには頭が下がる思いだ。
こうした民間施設の努力を見ていると、開設後2年経過した「きらり」の業務が、現在の市民ニーズに対し充分なのかについての検証が必要と思えてならない。こうした検討を行い民間事業所と行政が実施するサービスを適切に仕分けして、こうしたニーズに応える努力をするべきではないだろうか。
民間に任せられるものは民間に委ねて、行政は民間では採算ベースにのりにくい、しかしなくてはならないサービスを行っていくべきではないだろうか。

2015年10月16日金曜日

シニアフェスタは大盛況!

宮地楽器ホール(旧市民交流センター)で市民まつりの文化部門企画のひとつとして毎年行われている「シニア:フェスタ」は、市内老人クラブの連合会「悠々クラブ」の主催で10月15日に行われました。ご存知のように老人会は高齢者の余暇活動の場として、お元気な高齢者の皆さんが市内各地でご活躍しているわけです。こうした皆さんの日頃の活動の成果を披露する年に一度の晴れ舞台です。
今年の舞台の最後を飾るのは、市内の中央大学付属高校吹奏楽部の皆さんによる演奏でした。鈴木は楽器の運搬をお手伝いさせていただきました。
運転したのは4トントラック。大量の楽器を一度に運ぶためにはこのサイズの車でないとダメということですが、4トン車、デカイです。実は人生初めての4トン車体験。どうなるかと思いましたが、最新のトラックはオートマ、パワステは当然で、バックモニターなどもあり慎重にいけばなんとかなるレベルです。技術の進化は本当スゴイです。
学校で楽器の積み込みをしたわけですが、生徒さんの言葉遣いや行動など礼儀作法が非常にしっかりしていて感激です。さて大量の楽器を積み込み会場へ移動です。会場で楽器を降ろして、リハーサル室となる小ホールにセット、その後に大ホールステージに移動し、いよいよ本番。
オープニングは大河ドラマ「花燃ゆ」のメインテーマ。いやー出だしから大迫力。音楽の力とはこういうものだと感動です。
選曲も高齢者の心の琴線に触れるものばかりで、その心遣いがステキでした。最後は会場の皆さんと一緒になった盛り上がりでした。
演奏を終え再び学校へ。これまた大量の楽器を慎重に運びだして終了。高校生の皆さんの若くて新鮮な熱気に触れることができました。今の時期は中間テスト直前、夏には受験の準備で3年生が抜けた状態で初めての大舞台だったそうで、練習は「かなり頑張った」とのこと。演奏を思い返せばなるほどと頷ける高いレベルでした。
シニアフェスタでの高齢者の皆さんの活力と若い世代の新鮮な感性に触れる素晴らしい一日でした。皆さん本当にお疲れさまでした。

2015年10月13日火曜日

チャレンジド雇用継続に必要な相互理解という考え方


障がい者差別解消法→「障がいがある人もない人も共に暮らしやすい立川を作る条例」市民参加での策定の動きがベース

市議会定例会明けの10月6日は立川市で行われた障がい者の就労を考える会in立川が主催するセミナー「チャレンジド雇用にCHALLENGE!!」〜障がい者とともに働くこれからの立川〜に参加してきました。
立川市では以前から「障がいがある人もない人もともに暮らしやすい立川を作る条例」策定に向けた市民参加の検討が行われ、条例策定の請願が市議会に提出され、議会は全会一致でこれを採択してきた動きがあります。鈴木はこうした立川市の事例を学びたい思いから、以前から「考える会」の会合に参加させていただいてきました。

障がい者法定雇用率改正→障がい者雇用納付金対象企業拡大の大きな変化に向けた取り組み

こうした動きの背景には、平成28年4月から施行される障がいを理由とした差別を禁止する条例にある障がい者に対する合理的配慮の考え方、また平成25年かの改正された障がい者法定雇用率の改正(民間:1.8%→2.0% 国または地方公共団体等:2.1%→2.3%)法定雇用の対象となる企業の規模(これまでは200〜300人規模→平成27年4月〜100〜200人規模の中小企業も対象に)、さらに法定雇用率達成していない事業所、企業に対し障がい者雇用納付金(1人に対し月額50,000円)の納付が義務付けられたこともあり、企業としても以前よりこの問題の関心は高くなっています。こうした背景について会が話し合いを重ねる中で企業を対象としたセミナー開催の機運が高まり今回の企画が実現しました。今回の参加者は、立川市の障がい福祉担当、特例子会社の人事担当、知的、身体、精神障がい者の家族の皆さんでした。こうした立場の違う人々が、障がい者就労の問題について、ともに学び合う機会になりました。セミナーで意見交換した結果、参加者全体で最後に確認できたことは、雇用される障がい者と特例子会社など、企業とは全く立場が違います。そして障がい者であっても企業人、社会人としての責任があり、一方企業にとっても障がい者を継続した就労につなげるためには配慮と工夫が必要であることが改めて確認できました。こうしたテーマで企業や福祉系の作業所、行政や当事者の家族が一体になって議論ができる立川市の市民力の高さを感じた貴重な経験となりました。

2015年8月6日木曜日

必要なのはビジョンとグランドデザイン・・福祉会館閉館説明会に参加して

8月5日に開催された福祉会館閉館についての説明会に参加しました。
説明会冒頭に「平成28年3月31日をもって閉鎖することについての説明会です」との説明はあったが、福祉会館内にある公民館本館機能を公民館本町分館に移転させること以外、福祉共同作業所、社会福祉協議会、市民協動支援センター準備室、集会室などの移転先は未定のため、これらの施設利用者にとり、閉鎖後の見通しが一切示されず、説明会に詰めかけた100人を超える市民にとっては不満が残る形となってしまった。
福祉保健部の担当者が、福祉会館の現状をひととおり説明した後、早期建設に向けて市民検討委員会設置、基本計画・基本設計から工事着工までの手続きが説明されただけで、移転先については今後の検討課題ということで説明されなかったからである。
説明後に行われた質疑応答では、福祉会館市民検討委員会の設置時期や検討内容はどういうものか、公民館本館移転により本館利用者の利用機会が減ってしまうことの不満、市民意見の反映はどこでなされるのか、などといった質問、意見、要望が活発に出された。
行政としては、移転先について議会への提案と議決の手続きを経ないと「決定」とはならず、来年3月31日に閉館すること以外は市民には説明出来ないことについて、議員である自分は理解できるが、参加者に対し執行機関としての行政と議会の基本的な仕組みと役割を説明し、理解していただかない限りこうした市民の不満は解消しないし、参加した市民にとっても「行政の対応は不誠実!」となってしまい、これでは汗をかいて説明している担当者が気の毒である。
一方議会の側としても、議会への説明前に市民に方針を示すことは議会軽視だとの考えもあり、これも難しいところだ。
こうしたタイミングで説明会が開催されるということは、市議会9月定例会で、市側からなんらかの提案があるということなのか今は不明だ。
小金井市が、移転先について何も市民に示さずに説明会を開催し、議会の方だけを向いてしまい、市民意見を聞かずに移転先を決めてしまうことも、建設場所を第2庁舎北側駐車場とする行政決定にこだわり、福祉会館機能だけを検討の対象とする市民検討委員会の設置にも賛成できない。
福祉会館の問題が浮上している今こそ、公共施設全体についてのグランドデザインを描いていくチャンスではないか。福祉会館にある公民館の貸館スペースは今後も絶対必要なのかについては一切議論せずに、このような市政課題の先送りをすることは、次世代の子どもたちにに負担の押しつけになることを今一度認識すべきである。市は公共施設の最適な配置ついての大方針を市民に示した上で、それぞれのテーマの議論を市民に委ねるべきである。
説明会の終盤「2回予定されている説明会後に、利用団体に対する相談会開催できないか」と提案されていた女性、建設的でいい提案。是非とも検討すべきではないか。
しかし、福祉を担う公共施設の閉鎖についての説明会に行政の総合調整を担当する企画財政セクションの担当者が一人も参加していないのは一体なぜなのか。平成22年に耐震診断を行いながら財政その他の理由で対応が出来てこなかったことについての説明は、福祉保健部ではなく企画財政部に説明責任があるのだ。こうした対応のまずさが福祉会館の建替問題を複雑にしている気がしてならない。

2015年7月29日水曜日

小金井市に、もっと障がい者グループホームを!                      


真夏日が続く7月28日に「手をつなぐ親の会小金井」の主催で行われた聖ヨハネ支援センター見学に参加しました。



開所は今年5月1日。施設は鉄筋コンクリート3階建。2階が就労継続B型(定員20名)と就労移行支援(定員10名)。3階がグループホームで定員7名ということで、市内では比較的大規模な施設です。当日は親の会の会員とNPOさくら会の施設職員合わせて35名と、障がい者の家族の関心の高さを証明する多さでした。
1階は生活介護・定員22名で現在7名利用。商品のラベル貼りとスウェーデン刺繍の作業をしています。他に事務所、医務室、厨房、個別に対応が必要な場合の多目的室が配置されています。



厨房では施設利用者の昼食と系列の作業所への配食をしているとのことです。1階の利用者7名のうち2名が市内から通所、他の5名は系列の他の作業所から移動してきた方。




2階の開放的なラウンジ。ここは就労移行支援(一般就労を目指す方の支援)の利用者さんが休憩にも使う場所だということでした。2階は就労移行支援(定員10・現在6名)と就労継続B型作業所(定員20・現在12名)で、東北の震災仮設住宅の屋根材を固定する傘ネジの組み立て、商品ラベル貼り作業。また、厨房ではパン製造の試行中で、施設の自家消費として昼食用のパンを提供し始めたところ。




           




2階のトイレは作業訓練の実習の場でもあるということです。この施設独自のクセをつけるのではなく、どこに派遣されても自らが考えて効率良い仕事が出来るように指導しているとのことでした。やはり作業前の身だしなみから挨拶の仕方といった社会人としての常識を身につけることが大事とのことでした。



3階はグループホーム(定員7・7名利用)うち3名が市内在住だった方で、4名は他施設からの移動で都外の系列施からから移動してきた方。
短期入所(ショートステイ)定員は男女2名ずつの定員4名ですが、現在は職員体制が十分ではなく事業は行えていません。見学していた参加者からは1日でも早く実施してほしい事業として多くの要望がでた点です。
          

居室はバストイレ付きと別になった2タイプです。グループホームの利用者さんは、日中はそれぞれが別の作業所で作業していて夕方ここへ戻ってくるという生活だそうで、制度上ここの利用者さんは、同じ建物にある2階や1階の作業所を利用することはできないということです。


3階にある浴室、これも制度上の問題なので運営している法人の問題ではありませんが、生活介護の利用者しか使えず、グループホームに入居している利用者は使えないという不思議なことになっています。しかも現在生活介護の利用者はここにはいないのでこの浴室の利用者はいないという説明でした。ご覧のように左側のストレッチャーが浴槽と同じ高さにリフトアップしてストレッチャーごと横に移動すれば介護者の負担は限りなく少なく入浴介助ができるスグレモノ。こうした高額な設備の利用者がいないことは非常に残念ですね。なんとか地域全体でこうした設備を活用したいものです。


見学を終えて

今回の見学会に参加したのは、ほとんどの方がワタクシ鈴木と同じ障がい者の家族。現在は生活介護や就労支援の利用者で、将来はグループホームへの入所希望を持っています。そうした思いでこの施設を見つめた時に一番考えるのは、障がいおある自分の子どもや家族は、一体どのような施設に入れるのか、費用はいくら必要か、家族と離れて一人きりで生きていけるのかといったことだと思います。こうした問題への関心の高さが今回の参加者の多さに現れていると感じました。そしてさらに切実なのは、小金井市にはこうした施設がまだまだ足らないという厳しい現実です。現在自治体主体となり、こうした施設を作るということはありませんので、地域の要望に応えた法人が建設するか、障がい者の家族が自ら動き、東京都や市の担当者と、とても複雑で時間がかかる手続きしなければ施設は作れません。今回見学させていただいた施設を運営するのは病院も運営する大規模な社会福祉法人です。こうした施設でも職員体制を整備することは簡単ではないということも伺いました。地域にニーズがありますが、それを満たすことは簡単ではないということ。障がい福祉サービスも、制度としてはまだまだ使いにくい課題があることを感じました。





2015年7月24日金曜日

4割が介護保険から卒業する和光市の地域包括ケアシステム


人口8万人のうち1年で1万人が入れ替わる自治体の「地域」とは?



東武鉄道で日光に行くのは初めて。乗り継ぎ回数の少なさと料金を考えて「区間快速」に乗車。浅草から東武日光駅までこれ一本でOK。テーブル付きのクロスシートで快適、しかも無料なんです。

 7月16日に日光で行われた松本武洋和光市長の講演会・勉強会に参加してきました。4割が介護サービスから卒業するという和光市の地域包括ケアシステムのヒミツは一体どこにあるのでしょうか。

第1部「和光市における地域包括ケアシステムの実践」

和光市の姿

 人口8万人。平均年齢40.1歳で埼玉県では戸田市に次ぐ若さ。高齢化率(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合)は16%代。しかし昭和30年代に建設された団地住民の高齢化が進み、高齢化率50%を超えた団地もある。
都心への交通利便性高く、池袋まで12分。羽田空港まで自動車で30分。昼間は約3万人が都内で働いている。東京都練馬区、板橋区に隣接している。
 住民の入れ替わりが激しく、多いときは年間1万人が入れ替わり市民の地域性は乏しい。もともとは人口少なく農地が多かった所に大量な人口流入がおきた。

介護保険の目的を市民に伝える

目的は「自立した日常生活を営むこと」

防災訓練や自治会総会など市民が集まる場所や機会に介護保険の仕組みと目的を知ってもらう努力をした。
介護保険法は、楽をするためのサービスではなく症状の悪化防止と医療との連携に配慮すること。国民の努力義務としてリハビリによる機能回復サービスを利用することが明記されている。要介護状態になった人に適切な支援を提供し、介護から卒業させることが目的。
しかし、当初は高齢者に無理に運動させているといったクレームが多かった。


和光市の地域包括ケアシステムの特徴

マクロ的視点

地域の課題把握。→調査することが重要。
市内のどの地域にどのようなニーズを持った高齢者がどの程度生活しているのか調査し、家族構成や日常生活についてアンケート調査し、地域ごとの課題や必要となるサービスを把握・分析し、課題の見える化を図った。アンケートを回収できた世帯は介護予防的に見ると優秀。逆に未回収世帯は生活困難などのリスクが高い。アンケート回収率は95%。

集めた情報を共有し、活用する工夫

基幹病院とネットワークで情報を共有し、入院時は必要なカルテを基幹病院(国立)、医師会とデータを共有し、退院時には病院の情報を地域包括ケアプラン作成に活用している。対象者個別の情報があることが重要。個人情報を関係機関に提供・共有することはニーズ調査アンケート時に了解済み。
調査をした結果、徘徊が多い地域など、地域ごとの課題も見え道路整備などのまちづくりにも活用出来る。
市民ボランティアの介護予防サポーターを50人養成した。現在はこれが機能している。民生委員さんになんでもお願いすると多忙な民生委員さんのモチベーションが下がる。
ケアプランは本人とケアマネだけのものにせず、ケア会議で市の考えを徹底した上で地域ケア会議で精査する。
「和光市長寿あんしんグランドデザイン」により特別養護老人ホームには頼らずに限界を見据えてサービス拠点やグループホームを整備し、拠点にはオープンスペースを作り地域の住民コミュニティーに解放している。第5期計画で24時間定期巡回型介護訪問が実現し、在宅介護の家族の負担軽減が図れた。介護拠点は市域にバランス良く配置すると全体の効率が良くなる。


第6期長寿あんしんプラン6つの基本方針
1.自立支援の一層の推進
2.在宅介護の臨界点の向上
→和光市では要介護3で在宅。ICT化とコミュニティーケア会議で情報共有
3.サービス提供事業者と地域の互助力(サポーター)との協働。→介護予防・日常生活支援の推進。専門性の高い市民ボランティアが支えている。
4.包括ケアマネジメントの推進→地域と個人の課題を解消する。
5.認知症を発症しても地域で暮らせる→認知症高齢者のすべての状態に対応できる。徘徊高齢者の早期発見の実現。
6.統合型地域包括支援センターの設置で者介護・障がい者福祉・子ども子育て・生活困窮者施策を一元化する。
              

ミクロのケアマネジメント支援・中心は地域ケア会議

コミュニティーケア会議を中心にしたマネジメントにより、マクロ的政策→介護保険事業計画・基盤整備。
ミクロ的支援→自立支援・予防・重度化の予防・人材育成。

介護リスクを減らす工夫

個人因子、環境因子、経済的因子を考慮して因子を分解し、要因を一つづつ減らしていく。ケアマネさんには和光市の政策や方向を理解してもらうための研修を行っている。和光市でレベルの高い仕事ができているのでケアマネさんは他市に移らないため、和光市のケアマネさんの離職率は低い。まず初めに予防ありきで始めた事業。

介護サービス開始年齢を5歳遅らせることが目標

団塊の世代が80歳になる2030年代を見据えて事業を行っている。
福祉の切り捨てはしない。介護を卒業してもらう。
日常生活支援を積極的に行い、介護拠点でのトレーニングを充実、バイタルチェック、管理栄養士による栄養相談や健康相談の対応している。また利用者相互が頑張れるような工夫を凝らしている。
 

第2部 和光市の福祉と行財政改革

経常収支比率88.4%!

和光市の特徴

財政は比較的健全。都心への交通利便性が高いので人口は増えている。核家族・集合住宅が多く地域性が薄く住民の自助は期待できない。自動車メーカーの製造部門が転出し関連工場も無くなった。リーマンショックの影響でメーカーの税収は法人割のみになった。市の年間予算は220億円。

和光市の財政状況の悪化−公共料金値上げを阻むのは選挙?

実質単年度収支は減少傾向。リーマンショック以降急速に財政が悪化。これまで公共料金の値上げもしてこなかったことも厳しい状況の一員だった。公共料金の値上げを阻む原因は首長や議会が市民に痛みを強いることを避けたため。値上げの議案は平成22年の1回目は否決。翌23年に値上げ率を見直して可決された経緯がある。

税金は民主主義の根幹、財政規律の遵守は議会制民主主義の正義である

財政健全化の努力−事業仕分けと大規模事業検証会議

事業の見直し、経常経費の見直し、執行額の残を全て残した。受益者となる市民に適正な負担をお願いし、納税コールセンター設置で滞納には1週間後に督促するなど、滞納対策を徹底した。大規模なハコモノ7事業を無作為抽出の公募委員が仕分けした。

財政規律のルール化が不可避な時代に突入した

財政健全化条例を策定し、財政を見直すルールを作った。さらに政策が左右しない工夫として、4年ごとに市民負担を見直す。人口ひとりあたりの借金額を指標として導入した。

健全財政あってこその福祉

急速に進む高齢化、団塊の世代の津波をどうしのいでいくのか、前期高齢者には元気でいてもらい、地域力を維持していく。職員ひとりあたりの人口は200人。職員削減に業務委託してきたが経費削減に限界があり、指定管理も考えている。図書館業務は財政効果を検証した結果、直営を選択しパート職員を増やした。
多治見市の例のように首長のわがままでおかしな政策を実行しないために条例を制定した。

まちの元気を保つために

先行投資の視点で市民負担をお願いする

市民負担の軽減を優先すると後年の負担増につながってしまう。先行投資としての市民負担を市民が理解するかどうかがポイント。

財政健全化条例制定の際の市議会の反応は?

議会は条例の骨抜きを図る?

首長や議員が利益誘導できなくなるのでどちらかというと反応は消極的だが、やるかやらないかは議会の判断と意思。
こうした条例を制定できれば首長のわがままや思いつきの政策、長期計画にない政策は提案はできなくなる。

リーダーの情熱が自治体を変える原動力

人口8万人で3万人が都内で仕事をしているまち。人の出入りが多く市民が地域に寄せる関心は高くないと市長自らが分析している。財政的な危機も経験した自治体である。財政的負担となる介護福祉事業を展開する際に市を3圏域に分割し、地域のニーズを徹底的に調査し、対象者の個人情報を共有することで、対象者を中心に医療や介護など専門家の意見と育成した市民ボランティアである介護サポーターを活用し地域包括支援センターを核とした地域コミュニティーを構築した成果は大きいと感じた。さらに今後はコミュニティーの中に高齢者以外の子どもや障がい者の支援も想定していることに大きな可能性を感じる。またこうした福祉施策を展開するための財政基盤確立のために首長として様々な改革を実行した経過は小金井市でも参考にすべき事例は多いと感じた。
財政健全化条例を策定した岐阜県多治見市の例にもあるように、首長や議員の気まぐれにより長期計画には存在しないおかしな計画ができないよう、首長と議会がともにチェックしていくことが、未来の市民に負担をかけないことにつながる、との市長の強い信念を感じる講演内容でした。。

2015年7月2日木曜日

結局、福祉会館はどうなるのか? 市議会6月定例会を終えて

市が建設場所として行政決定している市役所第2庁舎北側駐車場

6月定例会を終えて

市議会定例会は、6月23日に最終本会議を終了し閉会しました。96,812千円の一般会計補正予算、児童発達支援センターきらりの運営を28年4月から指定管理委託に移行する議案など全てが賛成多数で可決されました。また他には、議員案として提出された『集団的自衛権行使を可能にする憲法違反の「安保法案」を撤回することを求める意見書」は、自民(5)公明(4)改革(1)が反対。賛成は民主(2)共産(4)リベ保(2)ネット(2)緑市民、こがねい市民、こがおもそれぞれ(1)合計13の賛成多数で可決されています。
福祉会館建設の市民検討委員会設置を求める議員案は3月に提案されたものは本定例会で否決となり、文言を変えて今回再度提案された議員案も否決されました。福祉会館の市民検討委設置については、市長から要項設置で提案の用意がある旨表明されていましたが、結局今回は提案されていません。
以上が、終了した6月定例会の状況です。

福祉会館建て替えは市のミスによって混乱している

福祉会館建て替え問題について、私が所属する市議会民主党としては、市長をはじめとする行政のミスによって福祉会館の仮移転が決定的となり、工事期間も最短でも5年間かかることがわかった以上、市民検討委員会設置の前に行政が一丸となり、全力で仮移転先の決定と交渉にあたるべきと考えています。
そして、現在行政決定している市役所第2庁舎北側駐車場を建設場所とする考えから一旦離れて、市役所新庁舎、第2庁舎、総合図書館や公民館の配置等を含めた公共施設の最適な配置を行政の責任において検討し、一定の考えを示した上で福祉会館の建設場所を決定し、そのあり方についての検討を設置した検討委員会に諮るべきではないかと考えています。小金井市が公共施設配置の考えを未だに市民に示していないことは、計画的行政経営の根幹が出来ていないとも言え、ここを示さずに福祉会館の建設場所を行政決定にこだわり、単独で検討することは無計画行政の繰り返しになってしまうと考えるからです。市では公共施設等総合管理計画の策定に向けた検討中の今は施設配置についての考えは示さないことを私の一般質問で明らかにしていますが、現在の小金井市にはそんな悠長なことを言っている時間はないと考えています。この問題を先送りすれば、財政状況はさらに悪化することは避けられません。


将来小金井市が取得する予定の「児童発達支援センターきらり」西側の駐車場は仮移転先として検討できないのか。

行政には市民検討委員会設置の前にするべきことがある

結局、福祉会館建て替え問題は本定例会では、工事期間が長期化することだけが明らかになってしまったわけで、利用者の安全確保と不安解消のためには、早急に仮移転場所を決定する必要があります。
市民検討委員会設置の前に、行政には取り組むべき重要な課題があると考えています。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...