2017年7月14日金曜日

寄稿文は事実に反している


 上の画像は7月11日に発行された小金井新聞の記事である。ここに掲載されている稲葉孝彦氏の寄稿文「走り続けた16年」の記事に事実に反する記述があるため、本日、小金井市議会民進党として小金井新聞社に対し、以下の文書を掲載するよう申し入れを行った

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小金井新聞社 木内広子様

 貴社の「小金井新聞」7月11号に掲載された稲葉孝彦氏の寄稿文は事実に反する記述あります。
まず、当時の私たち市議会民主党が小学校給食調理業務の民間委託に反対をしていたという事実はなく、必要な民間委託は進めるべきとの立場です。
また、小学校給食調理業務の民間委託に関する意思決定過程において、寄稿文にあるような都議会議員(当時)から市議会民主党への指示や関与の事実もありません。
こうした事実無根の記事が掲載されることは、当時の担当市職員の皆さんの懸命なご努力や小金井市の学校給食を守り育てるためにご尽力されている市民、保護者や関係者の皆様を侮辱し、小金井市議会の信用を著しく損なうものであり、到底看過できるものではありません。
以上、申し入れます。
平成29年7月11日
小金井市議会民進党 鈴木成夫 
          岸田正義 
          村山ひでき
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2017年7月12日水曜日

「親は半生、きょうだいは一生」・・京都きょうだい会講演会に参加して

7月2日に大阪で開催された「第2回障害児者のきょうだいセミナー」に行ってきた

 フェイスブックでずっと前から気になって仕方がなかった京都、神戸、伊丹など関西地区のきょうだい会主催のセミナー。前日深夜まで都議会議員選挙だったのだが思いきって参加してきた。
 「きらり」(小金井市児童発達支援センター)の開設が決まるはるか前、当時の就学前障がい児療育施設のピノキオ幼児園の民間委託を諮問した児童福祉審議会委員だった頃、障がい児支援を拡充するなら家族や兄弟の支援が必要ではと言ったのだが、この当時の担当は「障がいの早期発見・早期療育のために家族が障がいの認知と受容するための家族支援はともかく、兄弟の支援?」といった感じだったのだ。しかし当時でもおとなりの国分寺市では療育施設が企画して兄弟姉妹を集めて兄弟姉妹を主役にしたお楽しみイベントを行っていたのだが・・・。
 その後数年が経ち、ピノキオ幼児園を発展的解消し、児童発達支援センター建設のための事業詳細計画検討の市民意見交換会を重ねる中でもあまり議論にはならず、現在家族支援や兄弟支援は行われていない。
 今回の講演会の内容は、自分自身、障がいある次男の「きょうだい」である4歳年上の長男との関わりについて考える大変興味深い内容だった。

 ※きょうだい会では、障がいある兄弟姉妹を持つ人を「きょうだい」または「きょうだい児」と呼んでいる。親や周囲の人がきょうだいを気にかけることを含めた「きょうだい」に着目した支援についての講演会でした。

親ときょうだいは違う


 第1部は同志社大学社会学部福祉学科実習助手の松本理沙さんを講師に迎えた講演会で、松本さんご自身も知的障がいの弟がいる「きょうだい」だった。
 障がいがある兄弟姉妹を持つきょうだいと親の違いについて、親は恋愛、結婚、出産などの人生経験を経て障がいある我が子と出会うことになるが、きょうだいはある日突然自分の兄弟姉妹の障がいと出会う(または判明する)という大きな違いがある。そのためにもきょうだいが経験する様々なできごとについて考えていく必要を痛感する言葉である。

きょうだいは忍耐強く、優等生になろうとする

松本理沙さんのお話

・兄弟に対し親や周囲は「家族」と一括りにし、きょうだいに親と同じ役割を負わせようとしてしまう傾向がある。
・親の態度が自分と障がいある兄弟姉妹と異なる時は兄弟姉妹が怒りや嫉妬の対象になる。
・親に負担をかけまいときょうだい自身が我慢強く優等生になる場合がある。
・障がいがある兄弟姉妹がいるために進学や就職など、進路決定する際にもきょうだいには相当な葛藤がある。
・障がいに関心を持ち、特別支援教育や福祉、医療分野に進路希望する場合がある。
・きょうだいとしての体験から生じる肯定的側面もあるが、きょうだい自身が良かったと思うことと、周囲が「良いこともあったでしょう」ということとは全く意味が違う。きょうだい誰もが障がいがある兄弟姉妹を肯定できるわけではなく、また思わなかったとしてもきょうだいは何も悪くない。
・きょうだいに対し、親が正論(のようなこと)を言われると、きょうだいは自分の本音を言えずにしんどい気持ちを溜め込んでしまう。

親は半生、きょうだいは一生

 このようにきょうだい当事者のお話を聞くと、親や周囲の何気ない言葉や態度が、障がいがある兄弟姉妹のきょうだいに与える影響は、親が考えている以上に大きいことがわかってくる。障がい者の家族の一生を時間軸で捉えると、通常は親が先に亡くなるわけだから、障がいがある兄弟姉妹ときょうだいの関係は、きょうだいが寿命を全うするまで続くこと、これをしっかりと親が考えておくことが兄弟姉妹にとっても重要なことがわかる。
・・・男子二人兄弟で、次男に知的・てんかん障がいがある父親としてはすべてが胸に刺さる言葉である。

「親心の記録」は将来の家族への贈り物

 下の写真は配布された「親心の記録」である。障がいがある我が子に必要な支援を事細かに記録して親亡き後の将来の支援者に伝えるノートだ。主に行政書士、弁護士、税理士の団体「一般社団法人 日本相続知財センターグループ」から寄贈を受け配布しているもので、当日の参加者にも配布されたものだ。こうした備えも将来のきょうだいの負担を軽くするものとして活用を考えていくべきだろう。

きょうだいどうしが、その思いを吐露する場が必要

きょうだい会の作り方

 第2部はテーマ別のグループワーク。今回鈴木は「きょうだい会の作り方」の11人のグループに参加した。
 ファシリテーターは弟が知的障害者のUさん。他の参加者は東京2人(鈴木含む)、広島、岡山、東大阪、香川、立命館大学の中国出身の教授2名など、皆さんがきょうだい支援に興味を持ち遠方から参加していた。
 他のグループには遠く北海道や宮城からの参加者もいて、このテーマへの関心が高さが分かった。

Uさんのお話

 Uさんは京都きょうだい会の中心メンバー。弟さんが入所していた施設きょうだい会に関わり始めたのが1971年(昭和46年)とのこと。(全国きょうだい会の結成は1963年(昭和38年))当時のきょうだいは親や支援者、施設にとっての都合のいいボランティア。親は施設の「いいなり」できょうだいの立場は顧みられることはなく、活動も施設内で完結していた。1983年に育成会(手をつなぐ親の会)と合流して地域での活動が始まったが、会の運営の負担が大きく、会報の発行なども2名だけで行っていた時期があったが、いずれ手が空いて会の活動に戻ってくる人のために活動を続けてきた。最近になり松本さんとの縁もあり、またSNSの活用で若いきょうだいや他の地域との交流が広がってきた。イベントや企画型の活動とは別に、きょうだい支援にはきょうだいが思いを吐露する場が必要、とのお話が強く印象に残った。  参加者は障がい者の兄弟姉妹のきょうだいが6人、鈴木と同じく親が2名。小児がんのサバイバーで小児がんのきょうだい支援を研究する大学院生、といった立場だった。きょうだいの方は会を立ち上げようと考えている方、福祉職に就いている方が多く、第1部の話はまさに現実なのだ。


アフタートーク

 場所を変えての懇親会でも、やはり参加したきょうだいは福祉職についている方が多かった。また障がいがある兄弟姉妹をすでに亡くしている方が複数いらっしゃり、こうした方がきょうだい支援に関わり続けていることも大きな驚きだった。Uさんもその一人だったのだが、ここにきょうだい支援の奥深さがあるような気がする。
 兄弟姉妹の障がいがあることで実に様々な葛藤があったにもかかわらず、高齢(失礼)になっても、当時一緒に活動した仲間が仕事から離れて手が空いた時に戻ってくる場所をなくしてはいけないと思い続け、現在も若いきょうだい会の運営支援に楽しそうに関わっていることも印象的だった。

生涯発達を支援するきらりの使命を見つめ直すタイミングは

振り返って、きらりの業務はこのままでいいのか

 今年10月で開設4年を迎えるきらりの運営は、開設当初の業務委託から指定管理に変わった。相談支援事業の利用者増により、予約から相談までの時間がかかってしまっている現状や、放課後等デイサービスの待機者の問題、就学時の相談支援体制も申し訳ないが現状ではまだ十分とは言えず、小・中学校の通常学級で支援や配慮が必要な児童生徒が増えている現状などもあり、開設当初は想定外だった様々な新たな支援ニーズが明らかになっているように思うし、今回お話を伺ったきょうだい支援もその一つではないかと考えている。
 18歳までの子どもの発達支援を行う施設の使命として、こうしたニーズに今一度向き合い、現在の利用者評価をもとに業務を検証し、ニーズに即した事業の再構築の検討を始める時期がそろそろ近づいているのではないか、きょうだい支援の必要性ということ以外でも、そんなことを考えた今回の視察だった。

2017年7月7日金曜日

新福祉会館は庁舎建設予定地に決定(本日の第1回市民検討委員会)




 本日開催された第1回新福祉会館市民検討委員会を傍聴した。用意された傍聴席の多くを市議会議員が占め、議会の関心の高さをうかがわせるスタートになった。
 この検討委員会は、10月4日に西岡市長が行った市長報告で庁舎と福祉会館建設計画がゼロベースに戻って以降、庁内検討が行われる中で設置された市民検討委員会だ。
 第1回目の委員会ということで市長挨拶があり、その後に委員、担当部局、市民検討委員会運営支援委託事業者の自己紹介があった。その後互選により委員長に根上彰生日本大学理工学部教授が、副委員長には金子和夫ルーテル学院大学教授が選出された。
 その後は委員会の運営や市民検討委を含めた建設スケジュールの説明と、本日資料として委員に示された(仮称)小金井市新福祉会館建設基本計画(素案)について、新施設整備の必要性、施設建設基本方針が説明された。
 個人的に注目したのは、基本方針の中に平成29年2月に厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部が示した「「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)が取りまとめられたことを社会的背景として取り上げていたことで、本委員会でこれまでとは違う新たな福祉のありようについての議論が行なわれることを期待したい。
 その後の素案に対する質疑応答では、委員会の進め方、庁舎の建設検討との関連性など、各論について様々な質問や意見、要望が出されたが、最終的には、「先に建設地を決め、適地であるか議論を行い、その後の議論に入ることが建設的」との意見に集約されたように思う。


 こうしたやり取りの後、委員長から蛇の目ミシン跡地を建設地とすることについての確認を求められたわけだが、委員会もこれを了とすることを最終確認し、第1回委員会で建設地が蛇の目ミシン跡地と決定した。
 今後のスケジュールを考えると、まずは建設地が決まって一安心である。本当によかった。
 市議会の方では11日に開催する全員協議会で素案の説明が行われる予定で、市民検討と庁内検討、議会への説明と特別委員会での審査が同時に並行して行われるため、担当部局の負担が過重にならないかが心配である。
 今後は9月に第2回委員会を開催し、最終答申は本年12月の予定だ。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...