2020年4月20日月曜日

市議会3月定例会

新年度当初予算は19:4で可決

新型コロナウイルス感染拡大防止対応で1週間休会した第1回市議会定例会

 2月19日に開会した小金井市議会 令和2年第1回定例会(3月議会)は、435億2,700万円の一般会計予算と、国民健康保険、介護保険等の特別会計予算を含む27議案が上程・提案されていました。その後、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえた小中学校の一斉休校の対応や、行政機能全般にわたる感染拡大防止対策を優先するため、3月2日から8日を休会としました。
 3月9日に再開した議会ですが、不測の事態に備えるため常任委員会、特別委員会を半日づつに短縮し、新年度予算審議を行う予算特別委員会も、深夜までの審査はせず、6日間の日程を3日間に短縮して審査しました。
 24日最終日での採決の結果、予算案は賛成19(みらいのこがねい、自民党・信頼の小金井、小金井市議会公明党、改革連合、小金井をおもしろくする会、こがねい市民会議、生活者ネットワーク、市民といっしょにカエル会、緑・つながる小金井)、反対4(日本共産党小金井市議団、情報公開こがねい)で可決しました。

6月の開業を控えて準備が進む武蔵小金井駅南口再開発地区。低層階にオープン予定の商業施設は「ソコラ武蔵小金井クロス」と名付けられた。(開業日は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で変更の可能性があります)

「思いやりのバトン」を地域のみんなで引き継いでいこう

鈴木しげおの一般質問&答弁

Q:「障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例」施行による好事例を市民に紹介し、表彰しないか。
A:(市長)中学3年生の女子生徒の人権作文「思いやりのバトン」は、全国70万点中5位、法務大臣政務官賞を受賞した。作文にしの条例が引用され、自分に何ができるかとの思いを綴った作文で、教委で作成したパンフレットを読んだことがきっかけということで、条例の広がりの意味でとても良い事例だ。個人や民間事業者を表彰する鈴木議員の提案は、私にはいい提案と思う。
Q:障がい児、医療的ケア児の「保育ニーズ」をどのように捉えているか。児童発達支援事業と居宅訪問型保育を組合わせた障がい児保育の実施について、市長の見解を問う。
A:(市長)保育ニーズが高まる中で、今後も合理的配慮を含めた医ケア児の対応を考えていくが、この分野は経験や専門的見地など、通常の保育園とは違う特別な体制が必要な領域。今後のニーズの高まりの中で、民間事業者の力もお借りすることも、今後の選択肢の一つに入っていくと考えている。

対前年度比で民生費+5.5%、土木費−24.2%。新庁舎(仮)新福祉会館実施設計予算も成立

新庁舎はいよいよ実施設計へ

新年度予算は、高齢者福祉、障害者福祉の財源となる社会福祉費、保育園待機児解消施策などの児童福祉費等を含む民生費が歳出全体の51.5%を占めています。
 また、2023年度中の竣工を目指している新庁舎・(仮)新福祉会館建設に向けた実施設計予算、(仮)新福祉会館に設置する福祉総合相談窓口を、現在の社会福祉協議会で施行実施するための運営委託料、熱中症対策のため、導入済みの第四小学校を除く全ての小学校屋内運動場(体育館)へのエアコン導入予算等が計上され、市政の課題解消を図り、進行する高齢化に対応する高齢者福祉、社会福祉施策の拡充と、子育て環境の向上を目指した予算となっています。










2020年1月25日土曜日

セブン&アイの新たなビジネスモデル。「かいたす」訪問


 セブン&アイホールディングスが、家族介護者のために企画したイベント「かいたす」がイトーヨーカドー武蔵小金井店で開催されていると聞き、本日午後にお邪魔した。
 3階エレベーターホール前に開店したコーナーは、介護食などが並べられ、300円で飲み物とお菓子などが提供され、カフェ的雰囲気で気軽に立ち寄れる工夫が良かった。
 「かいたす」の運営に携わる大石さんと池本さん、NPO法人UPTREEの阿久津代表のお話では、家族介護者に少しのゆとりを」をコンセプトにしたこうした試みが小金井で開催されたきっかけは、セブン&アイ介護運営事務局(かいたす)が、小金井市内で家族介護者支援活動をしている阿久津代表に声をかけたことから始まったのだという。
 「かいたす」のお二人は、それぞれが法人の新規事業開発・経営推進的業務に関わっているご様子で、イトーヨーカドーを運営する(株)セブン&アイが、介護運営を展開していることに時代を感じるとともに、こうした新たなビジネスモデルが小金井発祥になるといいなと思う。
 行政のサービスは、聞かれれば答えるサービスだ。逆にいうと聞かれなければ答えない傾向があるのではないか。特に福祉に関する困りごとを抱えた利用者は、サービスメニューの全体像が見渡せないため、問題の解消に至らない場合が少なからずあると感じることがある。
 「かいたす」のようなサロンが、家族介護者が欲しいモノと情報、孤立しがちな介護者が地域とのつながり=ネットワークを得られる場として定着すれば、家族介護者=ケアラーを、社会と地域が支える新しい考えが理解が進むだろう。そして、こうした意識が地域に浸透すれば、障がい児・者とその家族介護者に対する理解の進化するのではないだろうか。

2020年1月20日月曜日

心のバリアフリー



 1月7日に行われた新春市民のつどいで、市内の中学生が、令和元年度全国中学生人権作文コンテストにおいて東京都大会で最優秀賞。中央大会で法務大臣政務官賞を受賞したことが紹介され、女子生徒さんが市長から表彰された。
 この時は作文の内容はわからなかったのだが、1月14日に開催された地域自立支援協議会で、その内容が「思いやりのバトン」という題名の作文と紹介され、協議会配布資料として作文が配布された。
 なぜ自立支援協議会で?と思ったが、作文を読んで理由がわかった。障がい理解と共生社会の実現について考察する内容だったからだ。

 帰宅ラッシュ時の駅の改札前で、行き先に迷って立ち止まる白杖を手にした4人の視覚障害者に、一緒にいた母親が声をかけて駅員に引き継いだ体験を振り返り、「物理的バリアが取り除かれても、心のバリアフリーが実現できなければ、周囲の無関心な反応は繰り返されてしまう。心のバリアフリーが実現すれば、他のどのようなバリアも乗り越えられる」と書かれている。
 その後に、小金井市には「障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例」があり、「差別を解消し、障害者と障がい者でないものとが分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、地域の中で共に手を取り合い安心して暮らすことのできる社会をいう」と。条例が定めた共生社会の定義を紹介している。
 作文を書いた彼女は、「一人ひとりの意識と思いやりが社会を変える。困った人を見かけたら、ためらわず声をかけて手助けしよう」と強く思い、視覚障害の女性を見送った後、「思いやりのバトンがつながるといいね」との母の言葉を受け、彼女たちが家に着くまでの間、優しく手をさしのべる人が現れるよう祈って、文は結ばれている。

 地域自立支援協議会の皆さんが発案し、あまり動きが良いとは思えない行政と粘り強く議論して足掛け3年。都内では4例目の施行となる小金井市の条例が、素晴らしい文章力を備えた中学生の少女の心を通じてこのような形で全国に紹介されたのだ。他のどのようなバリアも乗り換えられる、心のバリアフリーの実現に近ずくため、また、少女の澄みきった感性を落胆させぬよう、少女が強く感じたその思いに応え、条例を活用する努力を惜しんではならないだろう。

障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例
第39回全国中学生人権作文コンテスト 主な入賞作品



2019年8月29日木曜日

上映会の主賓は重症心身障がい児

 次男に知的障がいがあると気づいて以来、長男の子ども時代は、次男を含めた家族で映画を見に行かなかった。その時代のお出かけは妻が長男を連れ、私は次男とドライブして休日を過ごすことが当たり前と思っていた。
 長男の映画鑑賞には、なぜか私が付き合い、ディズニー、スタジオジブリなど、様々な映画を長男と一緒に見てきたのだが、次男と一緒に映画を楽しむという発想はなかった。
 そんな私が昨日参加させていただいたのは、重度の肢体不自由児、医療的ケア児が周囲に気兼ねせず自由に鑑賞できる映画上映会だ。


 医療的ケア児の対応については、私自身が3月議会の一般質問で取上げたし、現在市議会に医療的ケア児のサポート体制拡充に対する陳情が提出され、厚生文教委員会で議論されている事もあり、個人的にも重症心身障がいや医療的ケア児の当事者保護者さんのお話を聞かせていただき、勉強したい思っていたところ、NPO法人UPTREE理事長阿久津さんに、障がい児、家族やきょうだいも気兼ねせずに楽しめる映画上映会企画があるとの話を聞き、参加させて頂いた。


  上映会を主催したのは東村山市のNPO法人Linoさん。代表は、娘さんの病気を機に、看護師免許を取得し、病院勤務の看護師の杉本ゆかりさん。当事者の母親だ。
 上映会4回目の上映は「トイストーリー4」。映画上映だけでなく、会場では阿久津さんによる家族写真撮影サービス、ポップコーンやジュースはスポンサーの(株)ケイアイ様から。様々なプレゼントが用意され、イオンシネマ総支配人の道又さんの細やかな気配りもあり、皆さんとてもリラックスして映画を楽しんでいる様子で、お手伝いをしているつもりのこちらまで嬉しくなるのが不思議だ。
 当事者、家族、きょうだい達にとっても夏休み最後の最高のプレゼントになったのではないだろうか。
 巨大ショッピングモールの映画館だから駐車場の心配は皆無。館内では床にマットを敷いて寝転んでも、楽しすぎて声が出たって、貸切だから大丈夫!呼吸器の電源もイオンさんが延長コードを用意してくれたのでOK。
 一緒に参加した家族の皆さんはお子さんの車イスの横で、これまたイオンさんが用意してくれたパイプ椅子に座って見鑑賞。パイプ椅子運びや車イス介助はスズキ他のボランティア男子、チケット受付やジュース受渡しは今回可愛いJKが担当。みなさんよく頑張りました。

 重度の障がい児家族が、無意識のうちに諦めてしまう映画鑑賞がこんなに楽しめるなんてスゴい! 
 決して力まず、笑顔で動いてたスタッフなど、驚きと感動が連続し、涙ウルウルの上映会で、またお手伝いしたいと思わせる貴重な体験をさせていただいた。
 

2019年8月5日月曜日

食べることに困難を抱えている子は、他にもアンバランスを抱えている


 8月2日(金)に東久留米市にある東京学芸大学附属特別支援学校を会場に開催された「発達障害と食の困難と発達支援」〜本人・保護者を交えて考える〜 に参加した。
 発達障がい児者当事者に多い感覚過敏が関係する食の艱難について、東京学芸大学高橋智先生と立命館大学の田部絢子先生からの解説、食の困難を抱える当事者2人と、当事者のお母様のお話を中心に、第2部では専門家と当事者を交えたパネルディスカッションが行われた。

 食べ物の好き嫌いは発達障がいのある、なしに関わらず誰にでもあるものだが、発達支援などの専門機関でも、障がいと食の困難さの関係についての理解不足はあること。好き嫌いは偏食ではないこと。食の困難について、その困難さが多様で、本来は個別的な対応が求められるものであることが分かった。
 食の困難さの支援は近年のニーズの高まりを受け、歯科医療に新たな考え方が浸透した結果、2018年から機能発達不全症として保険適用となり、地元小金井市にある日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックが口の発達支援センターKURIN(くりん)で摂食障害のサポートを始めている。


 食の困難を抱える子どもたちが成長する過程で、まず始めに子どもたちの前に立ちはだかるのが、保育、教育の場で行われる完食指導だ。特に就学前の発達にアンバランスのある子どもたちの場合は、本人も辛いのに辛さを言語化できず、また多くは辛いと感じていない、他者との感覚の違いがあることに気づいていないことが本人の辛さを助長するのだ。母親に安易に調理の工夫を求めることも母親を追い詰めるだけで、かえって親子の緊張を招いてしまうことが、当事者の母親の立場から語られた。
 「正しい食べ方や完食指導の前に、本人にプレッシャーを与えず、チャレンジを求めずにまず、本人の話しを聞くべきではないか」との田部先生のお話は、指導者たる学校の教員や保育所、幼稚園の教諭の皆さんには是非とも聞いていただきたい内容だった。行きすぎた完食指導は、当事者たる子どもたちにとっては虐待に等しく、心に深い傷を負わせてしまうことをもっと認識すべきであろう。このことは登壇した当事者が当時の行きすぎた指導について、はっきりと「あれは虐待だった」と話していたことの重さを受け止めるべきと感じた。
 「食の困難を抱えた子どもには他にもなんらかの困難を抱えている」という当事者の母の言葉も強く印象的で、専門的研究者のリードにより、食の困難について、当事者視点で知ることのできた大変貴重な機会だった。


 最後に当日の登壇者のひとりである菊間章紘(きくまあきひろ)さんが絵を描き、高橋智先生が監修した絵本「あっくんはたべられない」(食の困難と感覚過敏)を紹介したい。

 周囲のみんなと同じものが食べられなかった自分の気持ちを表現したもので、こうした感覚・体験を絵本にして、子どもの偏食は好き嫌いやわがまま、母親の調理方法、上手下手の問題ではないことを、絵本にして広く知らせることは、保育・教育に携わる関係者はもとより、食べることにアンバランスを抱える子どもたちにとっても、その意味は大きいのではないだろうか。



2019年5月27日月曜日

児童発達支援センターきらりが実施する「きらきらサポート」始まる

昨年10月1日に施行された「障害のある人もない人も共に学びともに生きる社会を目指す小金井市条例」を、障がいに関わりを持たない市民へ広く知らせるため、条例を策定した地域自立支援協議会有志が、公募した一般市民と当事者のご協力を得て作成した「共に学びともに生きる小金井市をめざして」パンフレット。地域での障がい理解のためにはこのような取組は欠かせないものだ。

 5月14日に開催された小金井市児童発達支援センター運営協議会で、新年度予算に計上されていた児童発達支援センターきらりが、今年度から実施する巡回相談事業の名称が「きらきらサポート」として、6月から事業が開始されることが明らかになった。
 きらりが実施する巡回相談事業は、もともとは、きらりが開設される以前に市民参加で行われた意見交換会と、意見交換会を基に作成された事業詳細計画で、きらりが実施するべき事業として位置づけられていたものが、これまで実施されず、鈴木も何度か一般質問で取り上げ、残された課題と指摘してきた事業だった。
 巡回相談は、幼稚園・保育園で、個別の支援が必要な児童を日々支援している教諭や保育士等の支援者が対象で、言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士が各園を巡回する事業だ。しかし、これまでは、公立保育園では2月に1回巡回していたのに対し、民間園では園が実施する事業の2分の1か、あるいは補助基準額の25万円のいずれか低い方を補助する形式だったため、実施事業に公民格差があることと、この分野でのきらりの関わりが薄かったため、本市の児童発達支援施策を展開する上でもきらりが十分に活用されていないといった問題が他の議員からも指摘されていた。
 これが、所管する自立生活支援課の事業予算として提案され、名称も「きらきらサポート」としてスタートすることになったわけだ。

 説明によると、この事業は、まずは2年間の試行的実施とすること。具体的な業務としては、決定した訪問先で児童の行動観察を行い、担任プラス施設職員でカンファレンスを実施する流れ。訪問は1名で、1園につき年間3〜4回を想定していることなどが分かった。
 この日の協議会では、きらり主体で行う巡回相談の実施を長年希望してきた民間保育園や幼稚園代表から、事業開始に対し感謝を表明する意見があったが、同時に制度設計の過程で、施設に対するヒアリングが不十分、試行期間中であれ全ての園を訪問し、市全体の状況を共有した上で本格実施すべきとの当事者保護者の発言などもあり、事業の試行段階でまだまだ検討すべき課題は少なくない印象を持った。
 発達のつまづきを支援するためには、個別の対応を充実さする必要があるが、そのためには専門家が現場に入り、保育士や教諭に助言をすることはとても重要で、だからこそこの事業が現場のニーズを踏まえたものであってほしいと願っている。

2019年2月23日土曜日

まずは本人を知ること・・・障がい者を支援するということ


本日も興味深いイベントや講演会がたくさんありましたが、午前中は手をつなぐ親の会とNPO法人さくら会主催講演会「知的障害のある方の理解と支援」、講師は横浜市の社会福祉法人幸会理事長の伊藤 浩さんでした。
お話は、「日常・社会生活に制限がなければ障がい者ではない」・・・と、社会的障壁=障がいの社会モデル、障がい者の定義から始まりました。
支援機関、支援者に求められるものについて、「より良い支援のために必要なことは理解と見きわめ。そのためには当事者を知ること。本人はできるのにしない(させてもらえていない)のか。もしかしたら、やってみたら(練習したら)できるのではないか。本人を知ることでこれらのことがわかってくる。
そもそも何のために支援をするのか。それは障がい者本人の自立と社会参加のため。
それでは障がい者の何を支援するのかというと、日常・社会生活を支援すること」・・・。
通常、障がい福祉制度の話は難しい単語が次々に飛び出し難解になってしまいがちなのですが、伊藤さんのお話はやさしい言葉で分かりやすい内容でした。
障がい者本人の見きわめ? できること、できないこと、
もしかしたらできるのにチャンスを作れていない?
自分の次男に対してはどうなのだろう、と考えてしまう言葉でもありました。
参加者は障がい者の家族や事業所関係者が多かったのですが、こういったテーマこそ地域で暮らす障がいに縁のない方にこそ聞いてもらいたい、と強く感じる講演でした。

自民、公明、こがおもが反対し、全会一致ならず・・障害児短期入所施設の新設と既存施設の支援拡大を求める陳情書

2 月 10 日、厚生文教委員会で「障害児短期入所施設の新設と既存施設の支援拡大を求める陳情書」の採決が行われた。 本陳情は市内の桜町病院併設の障がい児対象ショートステイ事業所が、施設の老朽化と支援員さんの確保が困難で閉鎖されてしまうため、同様の施設新設と増設を求める内容だ。 採...