2015年10月30日金曜日

行政こそが行うべき仕事とは何か

様々な支援や配慮が必要な子どもたちの放課後の居場所として、平成24年4月から児童福祉法に位置付けられた放課後等デイサービス事業は、小金井市でも児童発達支援センター「きらり」が25年10月に運営を始めて以降、民間事業者も参入し、学校とは違い異年齢の子どもが一緒に放課後をすごす貴重な場として定着し始めている。しかし「きらり」では重症心身、特に医療的ケアが必要な場合の入所を認めていないため、公立、いや正確には公設民営の「きらり」こそがこうした子どもを受け入れるべき、と再三要請してきたがこれまで実現できずにいた。しかし今年6月から事業をスタートした放課後等デイサービス事業所「おもちゃばこ小金井」が、こうした子どもの受け入れを前向きに検討していることを以前施設を見学させていただいたときに知り、昨日(10月29日)重症心身障がい児の保護者とお子さんを施設にご紹介し、施設利用が可能なのかについて、施設長、児童発達支援管理者、看護師さんと直接面接していただいた。その結果、施設の条件が整い次第「お試し預かり」から始めることが出来そうとのお話をその場でいただくことが出来た。
鼻にチューブが入っていたとしても、また胃瘻の場合でも常に医療ケアが必要というわけではなく、支援の度合いはひとりひとり様々に違うはずだ。これを一律に「医療ケア」とひとくくりにして利用を断ってきた「きらり」を運営する小金井市の方針もどうかと思うが、こうした議論とは全く別に、受け入れに前向きな事業所の職員さんの熱意によって可能になったわけだ。
これまでは放課後や休日にはこうした子どもさんの居場所はないので、兄弟の学校行事などを諦めていた保護者からの切実な要望をお聞きしていながら、ずっと実現できずにいた自分の中の大きな懸案がようやく解消に向かって動き出した。
しかし受け入れを決めてくれた施設側でも、増加する利用者に応えるスペースが不足しつつあり、早急に新しい施設を増設する必要に迫られていて、不動産物件探しと、指導員や看護師などの人員確保が急務だという。どれも手間と時間がかかるわけで、こうした問題に向き合いながら日々子どもたちを受け入れている施設職員の皆さんには頭が下がる思いだ。
こうした民間施設の努力を見ていると、開設後2年経過した「きらり」の業務が、現在の市民ニーズに対し充分なのかについての検証が必要と思えてならない。こうした検討を行い民間事業所と行政が実施するサービスを適切に仕分けして、こうしたニーズに応える努力をするべきではないだろうか。
民間に任せられるものは民間に委ねて、行政は民間では採算ベースにのりにくい、しかしなくてはならないサービスを行っていくべきではないだろうか。

2015年10月16日金曜日

シニアフェスタは大盛況!

宮地楽器ホール(旧市民交流センター)で市民まつりの文化部門企画のひとつとして毎年行われている「シニア:フェスタ」は、市内老人クラブの連合会「悠々クラブ」の主催で10月15日に行われました。ご存知のように老人会は高齢者の余暇活動の場として、お元気な高齢者の皆さんが市内各地でご活躍しているわけです。こうした皆さんの日頃の活動の成果を披露する年に一度の晴れ舞台です。
今年の舞台の最後を飾るのは、市内の中央大学付属高校吹奏楽部の皆さんによる演奏でした。鈴木は楽器の運搬をお手伝いさせていただきました。
運転したのは4トントラック。大量の楽器を一度に運ぶためにはこのサイズの車でないとダメということですが、4トン車、デカイです。実は人生初めての4トン車体験。どうなるかと思いましたが、最新のトラックはオートマ、パワステは当然で、バックモニターなどもあり慎重にいけばなんとかなるレベルです。技術の進化は本当スゴイです。
学校で楽器の積み込みをしたわけですが、生徒さんの言葉遣いや行動など礼儀作法が非常にしっかりしていて感激です。さて大量の楽器を積み込み会場へ移動です。会場で楽器を降ろして、リハーサル室となる小ホールにセット、その後に大ホールステージに移動し、いよいよ本番。
オープニングは大河ドラマ「花燃ゆ」のメインテーマ。いやー出だしから大迫力。音楽の力とはこういうものだと感動です。
選曲も高齢者の心の琴線に触れるものばかりで、その心遣いがステキでした。最後は会場の皆さんと一緒になった盛り上がりでした。
演奏を終え再び学校へ。これまた大量の楽器を慎重に運びだして終了。高校生の皆さんの若くて新鮮な熱気に触れることができました。今の時期は中間テスト直前、夏には受験の準備で3年生が抜けた状態で初めての大舞台だったそうで、練習は「かなり頑張った」とのこと。演奏を思い返せばなるほどと頷ける高いレベルでした。
シニアフェスタでの高齢者の皆さんの活力と若い世代の新鮮な感性に触れる素晴らしい一日でした。皆さん本当にお疲れさまでした。

2015年10月13日火曜日

チャレンジド雇用継続に必要な相互理解という考え方


障がい者差別解消法→「障がいがある人もない人も共に暮らしやすい立川を作る条例」市民参加での策定の動きがベース

市議会定例会明けの10月6日は立川市で行われた障がい者の就労を考える会in立川が主催するセミナー「チャレンジド雇用にCHALLENGE!!」〜障がい者とともに働くこれからの立川〜に参加してきました。
立川市では以前から「障がいがある人もない人もともに暮らしやすい立川を作る条例」策定に向けた市民参加の検討が行われ、条例策定の請願が市議会に提出され、議会は全会一致でこれを採択してきた動きがあります。鈴木はこうした立川市の事例を学びたい思いから、以前から「考える会」の会合に参加させていただいてきました。

障がい者法定雇用率改正→障がい者雇用納付金対象企業拡大の大きな変化に向けた取り組み

こうした動きの背景には、平成28年4月から施行される障がいを理由とした差別を禁止する条例にある障がい者に対する合理的配慮の考え方、また平成25年かの改正された障がい者法定雇用率の改正(民間:1.8%→2.0% 国または地方公共団体等:2.1%→2.3%)法定雇用の対象となる企業の規模(これまでは200〜300人規模→平成27年4月〜100〜200人規模の中小企業も対象に)、さらに法定雇用率達成していない事業所、企業に対し障がい者雇用納付金(1人に対し月額50,000円)の納付が義務付けられたこともあり、企業としても以前よりこの問題の関心は高くなっています。こうした背景について会が話し合いを重ねる中で企業を対象としたセミナー開催の機運が高まり今回の企画が実現しました。今回の参加者は、立川市の障がい福祉担当、特例子会社の人事担当、知的、身体、精神障がい者の家族の皆さんでした。こうした立場の違う人々が、障がい者就労の問題について、ともに学び合う機会になりました。セミナーで意見交換した結果、参加者全体で最後に確認できたことは、雇用される障がい者と特例子会社など、企業とは全く立場が違います。そして障がい者であっても企業人、社会人としての責任があり、一方企業にとっても障がい者を継続した就労につなげるためには配慮と工夫が必要であることが改めて確認できました。こうしたテーマで企業や福祉系の作業所、行政や当事者の家族が一体になって議論ができる立川市の市民力の高さを感じた貴重な経験となりました。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...