8月5日に開催された福祉会館閉館についての説明会に参加しました。
説明会冒頭に「平成28年3月31日をもって閉鎖することについての説明会です」との説明はあったが、福祉会館内にある公民館本館機能を公民館本町分館に移転させること以外、福祉共同作業所、社会福祉協議会、市民協動支援センター準備室、集会室などの移転先は未定のため、これらの施設利用者にとり、閉鎖後の見通しが一切示されず、説明会に詰めかけた100人を超える市民にとっては不満が残る形となってしまった。
福祉保健部の担当者が、福祉会館の現状をひととおり説明した後、早期建設に向けて市民検討委員会設置、基本計画・基本設計から工事着工までの手続きが説明されただけで、移転先については今後の検討課題ということで説明されなかったからである。
説明後に行われた質疑応答では、福祉会館市民検討委員会の設置時期や検討内容はどういうものか、公民館本館移転により本館利用者の利用機会が減ってしまうことの不満、市民意見の反映はどこでなされるのか、などといった質問、意見、要望が活発に出された。
行政としては、移転先について議会への提案と議決の手続きを経ないと「決定」とはならず、来年3月31日に閉館すること以外は市民には説明出来ないことについて、議員である自分は理解できるが、参加者に対し執行機関としての行政と議会の基本的な仕組みと役割を説明し、理解していただかない限りこうした市民の不満は解消しないし、参加した市民にとっても「行政の対応は不誠実!」となってしまい、これでは汗をかいて説明している担当者が気の毒である。
一方議会の側としても、議会への説明前に市民に方針を示すことは議会軽視だとの考えもあり、これも難しいところだ。
こうしたタイミングで説明会が開催されるということは、市議会9月定例会で、市側からなんらかの提案があるということなのか今は不明だ。
小金井市が、移転先について何も市民に示さずに説明会を開催し、議会の方だけを向いてしまい、市民意見を聞かずに移転先を決めてしまうことも、建設場所を第2庁舎北側駐車場とする行政決定にこだわり、福祉会館機能だけを検討の対象とする市民検討委員会の設置にも賛成できない。
福祉会館の問題が浮上している今こそ、公共施設全体についてのグランドデザインを描いていくチャンスではないか。福祉会館にある公民館の貸館スペースは今後も絶対必要なのかについては一切議論せずに、このような市政課題の先送りをすることは、次世代の子どもたちにに負担の押しつけになることを今一度認識すべきである。市は公共施設の最適な配置ついての大方針を市民に示した上で、それぞれのテーマの議論を市民に委ねるべきである。
説明会の終盤「2回予定されている説明会後に、利用団体に対する相談会開催できないか」と提案されていた女性、建設的でいい提案。是非とも検討すべきではないか。
しかし、福祉を担う公共施設の閉鎖についての説明会に行政の総合調整を担当する企画財政セクションの担当者が一人も参加していないのは一体なぜなのか。平成22年に耐震診断を行いながら財政その他の理由で対応が出来てこなかったことについての説明は、福祉保健部ではなく企画財政部に説明責任があるのだ。こうした対応のまずさが福祉会館の建替問題を複雑にしている気がしてならない。