2016年2月9日火曜日

子どもの「困りごと」は誰が受け止めるのか

本日午前中に開催された、発達にアンバランスのある子どもの親の会「ひまわりママ」主催の公開連続講座「こんな子いるかな?」特別支援ケースカンファレンスに参加した。平日の午前中にもかかわらず会場は満員だった。
自閉症スペクトラム、広汎性発達障がい、学習障がい、またはLDやディスレクシア、ADHD・・・最新の研究から新しい障がいの存在が明らかになってきているが、一番困っているのは子ども自身。その子どもの困っている原因を解明して、当事者となる子どもと保護者が安心して子どもの成長を見守るためのヒントを探る連続した取り組みだ。
講師は黄金ネットワークでもいつも大変お世話になっている東京学芸大学の高橋智教授と高橋研究室門下生で大阪体育大学の田部絢子専任講師。本日のテーマは子どもの身体(カラダ)に注目して発達を考える内容だった。もともと子どもの発達とは全ての機能がバランス良く発達することはなく、発達の速い部分とそうでない部分が混在していて、成長期には発達のアンバランスが子どもに様々な影響を及ぼしているし、子どもの多様性はここから始まるということを前提にしたお話だった。
子どもに様々なプレッシャーがかかる現代は、子どもにとって不自然な環境になってしまっている。子どもが感じる不安と緊張や自分がキライなことを避ける行動が、周囲の誤解・無理解により問題行動とされてしまう子ども自身にとっての不条理、感情を表情に出せない特性から嫌だと表現できない苦しみ、空間認知、情報認知の発達がゆっくりのため授業についていけず状況が分からない不安から教室を歩き回る行動・・・などなど、すべて子ども自身が一番困っていること、ほとんどのケースで成長しカラダが整っていけば困難は解消していく。教室で子どもの居場所を作ってあげるのはいいが、避難場所を作っても担任の教員に対する信頼関係ができないと子どもこれを使わない。子ども自身の不安と緊張を和らげるためには、教員やクラスの友達の中に良き理解者が現れることが子どもの成長を助ける・・・といった内容で、困っている子のケースに当てはまる部分が多い自分にとっても非常に参考になるお話だった。
後半の質疑応答では、教室で困っている子どもの支援について保護者に対し講師のお二人からアドバイスがあった。子どもの行動には必ず理由・原因があるのでこれに向き合わないと困難は解消されないわけだが、保護者自身も子どもの行動が理解できず、時には抑圧してしまう可能性などを考えると、なかなか難しい問題と感じる。

昨年8月からスタートした「子どもの困りごと」シリーズの講座でも、ひまわりママの連続講座にしても同じテーマの講座を繰り返し開催しているが、毎回新らしい参加者が数多く参加するのだ。これを見るとこうした保護者のニーズが行政が提供する支援につながっていないのではと考えてしまう。そして、やっぱり気になるのが小金井市の児童発達支援センターきらりの存在だ。こうした問題で困惑する保護者に対する相談支援がきらりのミッションだと思うからだ。
もちろん、きらりが日々必死で業務にあたっていることは理解しているし、施設利用者の満足度が高いことも分かっている。しかし今回のような現状があるのだ。
本日の保護者とのやりとりを聞いてみて、改めてきらりの相談支援体制の再構築が必要なのではと感じた講座だった。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...