2020年1月20日月曜日

心のバリアフリー



 1月7日に行われた新春市民のつどいで、市内の中学生が、令和元年度全国中学生人権作文コンテストにおいて東京都大会で最優秀賞。中央大会で法務大臣政務官賞を受賞したことが紹介され、女子生徒さんが市長から表彰された。
 この時は作文の内容はわからなかったのだが、1月14日に開催された地域自立支援協議会で、その内容が「思いやりのバトン」という題名の作文と紹介され、協議会配布資料として作文が配布された。
 なぜ自立支援協議会で?と思ったが、作文を読んで理由がわかった。障がい理解と共生社会の実現について考察する内容だったからだ。

 帰宅ラッシュ時の駅の改札前で、行き先に迷って立ち止まる白杖を手にした4人の視覚障害者に、一緒にいた母親が声をかけて駅員に引き継いだ体験を振り返り、「物理的バリアが取り除かれても、心のバリアフリーが実現できなければ、周囲の無関心な反応は繰り返されてしまう。心のバリアフリーが実現すれば、他のどのようなバリアも乗り越えられる」と書かれている。
 その後に、小金井市には「障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例」があり、「差別を解消し、障害者と障がい者でないものとが分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、地域の中で共に手を取り合い安心して暮らすことのできる社会をいう」と。条例が定めた共生社会の定義を紹介している。
 作文を書いた彼女は、「一人ひとりの意識と思いやりが社会を変える。困った人を見かけたら、ためらわず声をかけて手助けしよう」と強く思い、視覚障害の女性を見送った後、「思いやりのバトンがつながるといいね」との母の言葉を受け、彼女たちが家に着くまでの間、優しく手をさしのべる人が現れるよう祈って、文は結ばれている。

 地域自立支援協議会の皆さんが発案し、あまり動きが良いとは思えない行政と粘り強く議論して足掛け3年。都内では4例目の施行となる小金井市の条例が、素晴らしい文章力を備えた中学生の少女の心を通じてこのような形で全国に紹介されたのだ。他のどのようなバリアも乗り換えられる、心のバリアフリーの実現に近ずくため、また、少女の澄みきった感性を落胆させぬよう、少女が強く感じたその思いに応え、条例を活用する努力を惜しんではならないだろう。

障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例
第39回全国中学生人権作文コンテスト 主な入賞作品



生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...