1月24日、私が会長をさせていただいている地元の貫井南町東自主防災会は、市立南中学校を会場に当日部活動に参加している生徒さんと顧問の先生とともに防災訓練を行いました。近い将来高い確立で発生するといわれている首都直下を震源とする巨大地震ですが、これは阪神淡路や中越、中越沖、そして東日本大震災とも違った形の災害になるはずです。東京の人口はおおよそ1,561万人です。3・11直後の混乱を思い返せば少しは実感が増すでしょうか。
電気、ガス、水道などのライフラインがダウンするような大混乱の際には、東京都のような人口規模では消防・警察、また自衛隊の災害出動などはあてにできません。普段から行政に頼らない、自立した地域を目指す必要があると、個人的には考えています。こういった状況で一時避難所となる学校の存在、私たちの住む地域が、学校をどのように捉えるのかが重要になるとも考えています。
私個人でも地域コミュニティーの中心となるべき学校の重要性について繰り返し、様々な場面で主張してきました。
そんな思いを自主防災会の皆さんと語り合い、育ててきました。昨年の1月に続き、今年も行った南中学校での訓練は、今回も我々に多くの刺激と教訓を与えてくれました。小金井消防署のご協力をいただきながら、生徒さんとともに考え、動いた避難所での炊き出し、避難所の設営と段ボールを活用したパーティション作り、倒壊家屋からジャッキや「テコの原理」の応用や車載ジャッキを工夫した救出体験、応急救護と車イスの操作と介助体験などを行い、生徒さんと地域住民が協力して危機を乗り切る体験を共有しました。
傑作だったのは段ボールのパーティション。生活空間を確保するための「仕切り」を工夫して作って下さいとお願いしたのですが、生徒さんたちは大人の固い観念を打ち砕き、見事な段ボールハウスを作ってくれました。ケチな大人の考えを押し付けてはいけないのです。
東北の被災地で聞いたのは、いい避難所は子どもたちが生き生きと大人の手伝いをしている避難所だったそうです。ひとりの有力者が権力をもって避難所全体を仕切ってしまうことが一番ダメだったそうで、こうなってしまうと弱い立場、声をあげにくい立場の避難者が追いつめられてしまうと聞きました。そうです。避難に際し配慮や支援が必要な皆さんへの心配りが行き届かなくなる可能性が高まるのですよ。自分たちがが生活するすぐそばの学校が避難所になったらどうするのか、そのための備えと危機を乗り切る地域の力について、今後も地域の皆さんと一緒になって考え直すいい機会になった訓練でした。