市議会3月定例会が終わってはや19日。桜の季節も、すぎてしまえばあっという間でした。
定例会の争点は福祉会館の建替のための設計と施設の検討を市内の法政大学との共同研究で、わずか1年で行うという実現すれば全国では初めての斬新な取り組みだったわけですが、これが建築士法23条に抵触するのではという議員の指摘に対し明快な答弁ができないまま、市長が提案した予算を撤回した問題。
もうひとつは、東町の公民館と図書館分館がある東センターを今年8月に民間委託する提案が、私が市議会民主党を代表して行った「委託先として検討しているNPO法人は、経費節減のための安価な下請け先なのか?」という質疑が発端となり、問題が表面化し、法人との十分な協議が済むまで委託は延期すべきという内容の付帯決議を全会一致で可決して3月25日の深夜11時近くに閉会しました。
9月定例会の市役所第2庁舎の買取りの提案の時もそうでしたが、提案のメリットを議会に明快に示すことができず、議会が紛糾し結果的に提案を取り下げるパターンを再び繰り返してしまったわけです。
この問題は市議会定例会中には解明できず、本日4月14日に開催された連合審査会でも、大学との共同事業の適法性についての結論は「現在も検討中」ということで明らかにはされず、継続審査となりました。またもや課題が解明されずに、先送りとなってしまったわけです。
行政として法令のチェックは基本中の基本であるはず。部局の説明では、新福祉会館建設検討のための設計委託事業者の公募型プロポーザル選定委員の就任を依頼した際、法政大学の教授に市民参加型共同研究の提案を受けた事がきっかけで、検討が始まりました。では、その時に担当部局の管理職者や、行政内部の法務担当者のチェック体制に疑問を感じています。
福祉会館問題では、一連の混乱の責任をとる形で、事業の先頭に立ち動いていた職員が配置替えされました。しかし市長や部長、課長などの管理職者の責任は曖昧なままです。こういった対応が、後に続く若手職員のやる気を削いでしまわないか、またこのような失敗を繰り返さないためにどのような対策を講じるのかは依然として不明瞭なままです。
福祉会館の地下には市の福祉共同作業所があり、ここでは福祉作業所(就労継続支援B型)10名。重度知的障がい者の日中の居場所として生活介護の利用者が10名、合計20名の障がい者のかけがえのない活動場所です。障がい者当事者も、そのご家族の方も年々高齢化が進み、様々な支援が必要になる中で、皆さんの安全と安心をどのように確保していくのか、といった視点も忘れてはいけないですし、むやみに長引かせるべきではないと考えています。
3月定例会の終わり方もスッキリとせず、今回も問題が先送りとなってしまったわけですが、要は行政のトップである市長が、建築士法上の問題を整理した上で、実行するのか、しないのかといった「大方針」を示していかないことには、部課長も答弁できるわけがありませんし、この問題は1ミリも前へ進みません。
福祉会館問題についての議論を行う連合審査会は、すべての陳情と議員案が保留となったまま、次回の開催は6月定例会の会期中になる模様。市長はじめとする行政にこの厳しい事態を打開する方策は見つかるのでしょうか。