市議会9月定例会は、3連休明けの24日に本会議、26日からは決算特別委員会が開催され、2日目の日程が先ほど終了しました。定例会は終盤を迎えつつあります。
さてワタクシ今回の一般質問は、子どもの問題に長く時間を使いました。小金井市では平成25年4月現在の保育園待機児が、昨年度から50人増の188人。待機児カウント方法に、求職中や育児休暇を延長した方は含まれているのか。学童保育所の業務見直し(民間委託の検討)問題の中で、障がい児の放課後活動や、学童保育所開所時間延長などのニーズはどのように議論されているのか質問しました。
保育園待機児問題は、横浜市が待機児ゼロを達成したニュースや、東京都が取り組みを始める小規模保育、スマート保育の話題がマスコミを賑わせていますが、自治体が独自に、財政や地域特性に応じた対策を講じなければ解決できない非常に難しい問題です。部局の答弁は、努力している。今後の対策はこれから始まる「のびゆく子どもプラン推進検討市民委員会」で改めて検討するということでしたが、年度ごとに更新すべき「保育計画」も提出された時期が、昨年は11月、今年は9月と、対応が後手に回っている印象は否めません。これではマズいです。「のびゆく」は決められた年度ごとに施策の見直しや点検をおこなうための会議ですから、これはこれでしっかりと取り組んで欲しいのです。しかし、1年間で50名も増えてしまった保育園待機問題は、市が主体となって緊急に取り組むべき問題です。定員が19名以下、マンションの空き住戸等を活用する小規模保育などの新たな事業を導入し、早急に取り組むべきと要望しました。
増加した保育園待機児問題は、対象となる子どもたちが、数年すると就学するために学童保育所に波及します。小金井市の学童保育は、公設公営で運営され、9校すべての小学校に設置されています。近年は入所を希望する児童が増え、市は学童保育所の大規模化の対応にあたってきました。そして現在は、平成27年から始まる「子ども子育て新システム」への対応が求められているところです。こうした現状を小金井市はどうとらえているのか。という点について質問しました。
平成18年に出された児童福祉審議会答申に基づき、学度保育所利用者保護者と行政担当者が策定した学童保育所運営基準。これは学童保育所が委託された場合でも、業務の質の低下を防ぎたいという保護者の強い思いに市が応えて設置したものです。その後市は、基準の見直しと、その時々の課題の協議のために学童保育所運営協議会(協議会)を設置しました。
いっぽう市当局と職員団体では、第3次行革による正規職員の削減による様々な影響について、当局と話し合いを続けるなか、学童保育所や保育園の業務見直しについての交渉を続けています。5月から6月にかけておこなった交渉の結果、学童保育業務の見直しについて大筋で合意した・・・
つまり学童保育所の職員も含め(ここがポイントでしょう)、職員団体としては民間委託を受け入れていくということが明らかになりました。またこういった状況を受けて、市では「学童保育業務の総合的な見直しについて」という資料を、7月、8月に市議会の厚生文教委員会、学童保育所運営協議会に示したのです。この状況を受けた学童保育連絡協議会(学保連)は、労使協議の先行は利用者の置き去りとし、制度の変更(子ども子育て新システムと都型学童の導入)により生じるメリット、デメリットの検証を求める要望書を市に提出しました。
ワタクシ、児童福祉審議会の市民公募委員として、この答申に関わっていましたから、運営基準策定と、その後に運営協議会を作った流れと、その狙いについてはよく理解できるのです。でも、運営基準は「委託されたとしても業務の質は落とさない」という当時の学保連の皆さんの強い思いを受けて策定したもの。こうして策定した基準がありながら、協議会とは本来無関係であるはずの労使協議について言及し、前向きな議論が出来ていないとすると、とても残念に思います。協議会には子ども家庭部長、児童青少年課長を含め、7名もの市の担当職員が参加しています。職員は行政のプロフェッショナルとして協議に関わっているわけで、協議会運営の責任の一端は、担当する職員にもあるのです。協議会の中で、事実に反する議論や誤った認識があるならこれは修正するべきです。こういったやり取りの中で、協議会としての議論を前に進めていただきたいと思い、協議会の現状について質問しつつ、みずからのこうした思いを伝えさせていただきました。
先に書きましたが「都型学童」とは、学童保育所の事業の充実をはかるために、平成22年度から交付金、補助金の補助要項を定めたもので、設置要項概要によれば、現在小学3年生(障がい児は4年生)までの受け入れを6年生までに拡大。障がい児枠の撤廃。(現在は原則1所2名)開所時間を19時まで延長すること。(現在は18時)運営は公設民営でおこなうこと(ここが大問題です)などを定めています。小金井市が、この制度を最大限活用した場合、9学童で合計1億600万円の補助金が交付される試算も資料で示されました。新制度の検証こそ、行政担当職員と市民が参加しているこの協議会が取り組むべきテーマだと思うのです。
職員団体はこういった制度も含め、大筋で合意しているということで、民間委託を偏見なく見つめることが出来れば、間違いなく事業拡充の可能性があるものです。保育園では19時までの延長保育を実施している現在ですが、学童保育利用者には、こうした時間延長の要望はないと一部の利用者が主張していると聞きましたが、本当にそうでしょうか。
本当に開所時間延長や受け入れる学年拡大の必要はないといえるのでしょうか。そして事業拡大の対象になる障がい児と、障がい児の保護者のお気持ちに向き合えているでしょうか。ワタクシ、事業見直しの出発点は市民ニーズだと考えています。ですから直接の施設利用者だけでなく、すべての子どもたちを対象に考え、潜在的な利用者のことも考えていただきたいのです。そして、現在の保育や学校教育現場での発達障がい児童への対応の状況などもしっかり捉えていただきたいのです。そんな思いを込め、潜在的ニーズについて、こんな質問をしました。小金井市の小学校児童数は現在4,861人です。文科省の最新の調査では、全児童の6.5%に発達障がいの可能性があることがわかっています。ワタクシが調べたところでは、この4,861人の中には特別支援学級在籍児童は含まれていませんので、6.5%=316人は今現在、普通学級に在籍しているのです。こうした子どもさんは、一般的には障がいの認知が遅れてしまいがちで、子どもさん自身にも非常につらい思いをさせてしまっているのです。こうした子どもさんのために「特別支援」という考えが生まれたのですから。協議会に参加している皆さんには、こうしたことについても課題が共有できればとの思いを質問で伝えさせていただきました。
・・・市議会は10月3日、7日までが決算特別委員会。そして15日に本会議最終日を予定しています。
明日は、小学校の運動会集中日ですが、東小金井駅北口の児童発達支援センター「きらり」の開設記念式典が午前10時からおこなわれます。小金井市が、近年高まっている発達障がい児の支援のために新たに開設する施設で、運営は地元にも関わりが強い社会福祉法人に業務委託します。施設は出来ておしまいではありません。使いながらバージョンアップしていく施設に成長するように願い、明日の開設記念式典にのぞみたいと思います。