2018年1月13日土曜日

HUGってなに?

 避難所運営ゲームとはHinannzyo Unei Gameの頭文字をとりHAG(ハグ)とも言われる。もともとは東海地震発生が予測されている静岡県で開発されたものだという。(HAGとは英語の抱きしめるとの意味にも通じている)
 このHAGを本日、南中学校の会議室を会場に、地域の皆さんが多く参加できる土曜日の学校公開日に合わせて実施したもので、鈴木が会長をさせていただいている貫井南町東自主防災会の主催で行った。

 首都圏でも巨大地震の発生確率が高まっていると言われ、マグニチュード7.3クラスの規模で、市内全域が震度6強あるいは6弱の揺れに見舞われる多摩直下地震だが、発災した場合の市内最大避難者数は30,495人だ。この避難者が市内に14校ある小・中学校に押し寄せるわけだ。しかし小金井市では災害時の避難所運営マニュアルはあるものの住民主体で避難所を運営するための「避難所運営協議会」の設置が近隣他市に比較して著しく遅れていることは以前から指摘してきた。 現在、市内で避難所運営協議会があるのは第4小学校地域と緑町地域だけで、住民主体で立ち上げることが重要な取組とはいえ、行政がこれまで設置の支援を行ってこなかったために陥っている今の危機的状況は早急に改善していかなければいけないと考えている。
HUGの説明は小金井消防署警防課地域防災係長から。避難所運営の重要さ難しさを実感するために行うゲームであることがよくわかる。
 ゲームは1枚のカードを一人の避難者として、カードそれぞれ書かれている居住地域、国籍、年齢、性別、避難してきた背景(家屋倒壊や怪我など)また様々な支援物資や視察者や報道関係者の取材対応などのイベントもカードに含まれていて、これを4〜6人からなる避難所運営チームに対し、1人のカード読上げ係が処理速度を若干上回るスピードでカードを読上げ、カード(=避難者)を体育館や教室、校庭などに配置していくというものだった。本日のHUGゲームの説明は小金井消防署地域防災担当者。カード読上げは消防署、市の地域安全課職員と4小地域の弁天通町会のHUG経験者にお願いした。
消防署に用意していただいた体育館と学校施設の見取り図。この用紙に切られたカードを置いていく。カード1枚のサイズは避難所で一人が必要な面積になっている。
 本日の避難所運営チームは3グループ。チームの処理能力を若干上回る速さで切られるカードを処理する大変さ。そしてつぎつぎ押し寄せる認知症の高齢者、知的障がい児や乳児を含む家族などなど、支援や配慮が必要な避難者の避難場所の確保に支援物資の保管と管理と配布のアナウンスまで考えなければ処理できないカードが溢れていく。
ゲームが白熱し、テーブルごとに難しい課題を解消し避難者受け入れに知恵を絞っている背中の数々。
 ゲームが始まると参加者は誰一人座らず、皆さんが立ち上がって課題ある避難者の受け入れを協議していた。そして全てのカードの読上げが終わるとゲームは終了となる。しかし全てのカードを満足には処理できずに時間切れで終了となってしまう。
テーブルごとに避難所に必要な情報を共有するための情報を掲示板に書き出していく。
 もう少し時間があればゲーム後の振り返りができるが、今回はそれができずに参加した皆さんがモヤモヤを抱えたまま解散することになったが、これもHUGの狙いであるとのこと。消化不良だった部分は参加者それぞれの心に残るため、これが実際の災害で生かされるというのだ。
 本日は冒頭に市長がご挨拶にみえたほか、南中学校校長・副校長先生とPTA役員の皆様。隣接・近隣の貫井南町中自主防災会、西自主防災会、弁天通町会、前原3丁目自主防災会役員の皆さんと貫井南町在住の市議会議員である板倉真也、宮下誠議員にもご多忙中ご参加いただき、2時間フルにゲームを体験していただいた。自分自身も初めての体験だが、今回の経験は参加者全員にとって必ず役に立つだろう。それぞれの組織で、またこうした経験が繰返し行われ、実際の避難所運営に生かすことができれば確実に地域の防災力・危機管理力は向上するはずだ。
 巨大地震は必ず発生する。防災・減災について皆さんひとりひとりが、人ごとではなく自分の問題として捉え、自助を基本に、隣近所の助けあい=近助の実践できる地域をさらに広げるべきではないかと感じた体験だった。
 折しも明日は小金井市消防団出初式、来週は阪神淡路大震災が発生した1月17日メモリアルで、災害とボランティアを考える1週間である。
 

 

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

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