2018年11月22日木曜日

子どもの発達と教育相談を一本化した「エール」(日野市発達・教育支援センター視察報告)




福祉と教育部局が同居し、相談支援を一元化した「エール」

 平成30年11月9日、日野市のエール(日野市発達・教育支援センター)の会派視察を行った。
 今回、小金井市議会からは鈴木成夫、村山ひでき、岸田正義、沖浦あつし議員。府中市から須山たかし議員、あきるの市から中村則仁議員の6名で訪問させていただいた。業務がご多忙中にもかかわらず、視察にご対応いただき、丁寧なご説明をいただいたことに心より感謝を申し上げたい。 


巡回相談は幼・保・小・中で実施、特別支援教育全般もエール発で支援し、「かしのきシート」で連携・共有

 エールは、既存の障害児通所施設「希望の家」の老朽化により、平成26年4月に開設された施設で、発達支援課と教育支援課が同じ施設の1階フロアあり、発達や教育に関連する相談と支援窓口が一本化されていることが最大の特徴だ。
 センターに寄せられた相談は、センター総合相談受付で受け止め、内容に応じ、就学相談、心理相談、SSW、医師など適切な担当者、必要な支援につないでいる。 
 施設の実施事業は、大きく分けると相談支援(心理、一般、医療、就学・進学相談、児童福祉法に規定する障害児相談、計画相談)支援事業(定員35名で2歳〜5歳児対象の通園事業、幼児親子グループ、集団専門指導、個別専門指導、集団トレーニング、保育園・幼稚園・学童クラブ・小中学校への巡回相談、学校からの依頼によるスクールソーシャルワーカーの派遣)
 学校への事業として特別支援教育(特別支援学級、特別支援教室「ステップ教室」、学校の保健室と言われるリソースルームでの個別学習支援、日野スタンダードと呼ばれるインクルーシブモデル授業のユニバーサルデザイン化の研究、一時預かり、保護者交流と不登校支援)などなど、と多種多様な業務を0歳から18歳までを対象に行っている。「かしのきシート」は日野市の発達支援シートで、日野市の場合は施設が記録し保護者にも開示する形で個別の教育支援計画とも統合されている点が小金井市とは大きく異なる点だ。

個別教育支援計画と統合された「かしのきシート」は、希望すれば保護者がすべて見ることができる

 かしのきシートとは子どもの成長を記録した個別の支援計画で、就学前から就学後18歳までの支援を切れ間なくつなぐためのものだ。小金井市のさくらシートも同様の目的で作成されたものだが、就学相談時や就学後には活用されないことが課題だ。日野市では、発達・教育支援システムのカルテで一本化し、かしのきシートと個別の教育支援計画との情報を共有化、管理している。子どもの利用施設がカルテに記入すれば統合された情報がカルテに蓄積され、小・中学生は教育支援計画と統合されているため、学校の校務支援システムとも統合されているため、教員の手間を増やさずにシステムは活用され、本人が30歳になるまでエールが管理し、大学進学時や就労にも活用されている。

早期発見、早期療育の実現は巡回相談から

 発達・教育支援システムに参加する施設は、保育園、幼稚園、小・中学校合わせて76拠点あり、かしのきシートを管理し、またそのすべてに巡回相談が行なわれている。かしのきシート作成者は全児童・生徒数の約6%で、これは何らかの配慮や支援が必要な児童。生徒の割合とされる6.5%に迫る数字だ。保護者から受けた相談内容は、必ず保護者の同意を得て所属機関に伝えて連携している。
 小金井市では課題となっている巡回相談体制は、保育園は以前からの委託事業で12名体制。幼稚園はエールの3名で対応。学童、小・中学校も3名体制で年3回実施している。

総勢60人の専門職が相談と支援にあたっている

 保健師、言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士、社会福祉士、教員OB、スクールソシャルワーカーなどの専門職は、正規職員以外にも非常勤嘱託職員として、勤務形態により集計が難しいが総勢では50〜60人ほどは所属し業務にあたっている。現状で相談事業の待機はなしだが、発達検査は受付から検査まで2〜3ヶ月期間がかかる。
 また相談支援事業は通園部門の利用者が中心で、すべての利用者を対象にしていない。
 保育所等訪問支援の実施については、エールは児童福祉法上の児童発達支援センターではないため、現状では未実施だ。

小金井市がエールに学ぶべきものは?


 子どものカルテを一本化して施設間で共有し、その子どもに合わせた支援方法を提供している。そしてその記録は学齢期以降も引き続き記録されるため、18歳以降の就労や大学受験の際にも活用され始めているとのお話を伺った。これは児童発達支援事業が、18歳以降のキャリア支援に活用された興味深い事例である。 
 一方、小金井市の発達支援シート「さくらシート」は、就学後にはあまり活用されていないと感じている。そして幼稚園・保育園に対する巡回相談体制は十分とはいえず、支援ニーズの共有化も不十分だ。巡回相談の結果、支援や配慮が必要な子どもたちの存在は明らかになったとしても、保護者の障がい受容が進まない等の理由から、早期発見できても早期療育につながらないため、毎日生きづらさを抱えて困っている子ども自身に支援が届いていない状況が、少なからずあるのではないかと感じていて、ここが最大の課題だ。
 しかし、この課題は指定管理委託事業所の「きらり」単独では改善できない問題で、そのためには子ども家庭部、福祉保健部、学校教育部と教育委員会が協働し、きらりの実施事業を中心にした小金井版の「子ども支援システム」を構築し、すべての子どもの育ちを支える環境を整えるべきで、そのために日野市の取組に学ぶべきものは多いのではないだろうか。私自身、今後もより良い子どもの発達支援施策を考える上で大変参考になる視察だった。
 
 

2018年10月29日月曜日

6会派12名が、新庁舎・福祉会館建設計画の追加調査を要求(9月議会報告)


 10月7日(土)早朝に、小金井市政施行60周年記念行事として、小金井公園で行われた「みんなのラジオ体操会」はNHKラジオで全国に中継された。当日は市内・外から2500人の参加者が、早朝の冷たい空気の中で爽やかな汗を流した。
インスタ映えを意識してか、会場にはこのようなパネルが用意されていた。

庁舎建設基金は積立総額27億円へ 

 8月30日に開会した9月議会(小金井市議会平成30年第3回定例会)は、10月5日に閉会した。
 平成29年度決算による前年度繰越金を元にした第2回補正予算を可決した結果、庁舎建設基金はプラス8億円=27億円。財政調整基金はプラス10億円=28.3億円。地域福祉基金がプラス1億円で7.5億円となった。また10月1日施行となった障がいのある人もない人も共に学びともに生きる社会を目指す小金井市条例の周知のため、横断幕やリーフレット作成、地域自立支援協議会の医療や法律の専門家を増員するための経費、住宅耐震化促進のためのリーフレット配布、総合学園テクノスカレッジ体育館の市民開放(当面は月2回)のための経費などが計上されている。
現在の施設配置案では、庁舎建設予定地の空缶・ペットボトル処理施設とリサイクルセンターは敷地内で移転し、庁舎・福祉会館の建設工事を進めるプロセスが議会に示されている。

6会派12名が、市長に対し庁舎建設の追加調査を要求

 新庁舎&福祉会館建設については、6会派(自民・公明・こがおも・ネット・市民とカエル・緑)12名から市長に対し①清掃関連施設は敷地内移転しない ②新福祉会館の先行竣工 ③敷地東側樹木の保存 ④新庁舎免震構造地下部分の駐車場利用 との4項目の前提条件からなる新たな施設配置案検討を求める申入れが行われ、同日の庁舎及び福祉会館建設等調査特別委員会で同趣旨の質疑が行われた。
 これに対し西岡市長は9月25日の同委員会で「4項目をCre-2案に加えた場合の関係法令の確認と、それに伴う変更点の洗い出しを行うことから着手する」と、議会からの新たな提案に対する追加調査を行う考えを表明した。


議会の要求に応じた追加調査関連経費を計上した補正予算(第4回)が可決

追加調査関連経費81万4千円は10月5日の本会議で可決した。今後は10月中に調査結果の取りまとめ→11月5日に市議会全員協議会→11月中に市民説明会を5回実施し、平成31年度に基本設計に着手の予定だ。

追加調査は、議会の合意形成を促すものになるか

 平成29年に実施した建設計画調査で、最も有力な施設配置案とされたCre-2案と比較検討する今回の追加調査は、今後の議会の合意形成に寄与すると思うが、庁舎建設問題では8月22日の全員協議会、特別委員会で、6月議会で示された議会意思に応え、これまで設計と施工を一括発注するデザインビルド方式から、従来方式に変更し、完成時期を1年遅れの2023年3月になる見通しを報告した経緯がある。
 追加調査を行った結果は、建設スケジュールやコスト、施設の利便性にどう影響するのか、気になるところである。
 検討結果は11月5日午後に開催予定の市議会全員協議会で示される予定となっている。

2018年10月19日金曜日

特別支援学校に、貫井ばやしがやってきた!


 9月29日(土)都立小金井特別支援学校の体育館で行われた「やってみよう!貫井ばやし」に参加してきた。
 貫井南町ゆかりの伝統芸能の貫井ばやしは、正式には「目黒流貫井囃子保存会」といい、小金井市無形文化財に指定されている。
http://www.nukui-hayashi.com/top.html

 会場は、今年4月に完成した新校舎。冷暖房完備、視覚的支援のためのプロジェクターが常設された最新の体育館。市民開放事業第1号として行われたものだ。
 障がい児が、周囲に気がねすることなくお囃子の楽しさを感じてほしい」との思いから始まったこの企画。大澤会長から鈴木に、会場探しのご相談をいただいたことから関わらせていただいた。平成23年に中学部を卒業した次男の母校でもある都立小金井特別支援学校に会場提供のお願いをしたところ、休日の施設開放を快く認めていただき実現した。
       
 
 通常はあまり見ることができない獅子頭の後ろ側のからくりの解説を大澤会長から。口の動きだけでなく全体の動きで様々な表情を表現する技の解説だ。

「ひょっとこ」は、かまどの火おこしの時の表情を面にしたもの、と聞き目からウロコである。お囃子の振り付けは農作業の仕草が元になっていると聞けばなるほどと思うのだが、「仕草の元になった農作業が今の生活から消えているために伝え方が難しい」と聞くと、「うーん」と唸ることしかできない。
 会場と日程の関係で十分に告知ができず、チラシ配布も不十分、小学校運動会の集中日という条件が重なり参加者数に不安があったところへ当日は雨・・・。
しかし、支援学校や児童発達支援センター「きらり」利用者家族、飛び入りの参加(感謝感謝)があったおかげでまずまずの入りとなり、企画に関わらせていただいた身としては一安心といったところだった。
プロジェクターの操作に戸惑ったり、舞台の緞帳を上げることができなかったりといったハプニングはあったが、伝統芸能であるお囃子の楽しさを受け止めた子どもたちが、走り回って、飛び跳ねて、楽しさを体いっぱい表現している姿がなんとも楽しそうで、こちらまで幸せになれたひと時だった。


2018年9月30日日曜日

「共に学び、共に生きる社会を目指す」条例に期待すること

 小学校運動会の集中日の昨日は、小雨が降り出した前原小学校にお邪魔したあとは萌え木ホールで開催の「障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例」制定記念市民意見交換会へ。
 この条例は、小金井市地域自立支援協議会委員の発議により、3年余りかけて条例素案を作成し、これが平成30年3月議会に上程され、所管する厚生文教委員会での審査を経て、議員修正案を6月議会で全会一致で可決し、10月から施行されることになったものだ。 
 多摩26市では、八王子、国立、立川市に続き、4番目の小金井市が条例施行を記念して開催した意見交換会だ。
 雨の降るなか多くの参加者が詰めかけた会場では、協議会副会長による逐条解説の解説、条例制定の意義と目的の説明と、協議会に4つ設置された作業部会からの報告、その後は参加者からの意見を伺う時間になった。
 「障がいを理由とした差別のない地域づくりを目的としたこの条例を地域に根ざしたものにするためには、大多数の”知らない”市民に対する条例の周知が重要、そのためにもわかりやすい条例にすべきではないか」との意見が印象的だった。また、重度の知的障害の息子さんがスーパーでパニックに陥った時、愛に溢れた対応でパニックを鎮めてくれたスーパー店長とのエピソードを披露したうえで、「この条例が、多くの市民に理解されることで、障がい児・者が暮らしやすい地域になっていくことを期待する」と発言した手をつなぐ親の会代表委員の言葉の重さに胸が熱くなった。
そうなのだ。障がい児者の保護者や家族にとって、こうした話は山のようにあるのだ。この痛みを知る家族や支援者の思いを良く理解してほしい。
 出来上がったばかりの条例の文言や逐条解説に力を入れるのもいいだろう。しかし、今後この条例の運用が始まれば、困難事例や差別事例解決の斡旋を受け、当事者間の調整、調停を行うのは自立支援協議会なのである。その協議会自身が今すべきことは何なのかについて多くのヒントが示されたと感じる貴重な時間だった。


2018年9月8日土曜日

小金井の伝統芸能「貫井ばやし」が、小金井特別支援学校にやってくる



 小金井市貫井南町に古くから伝わる伝統芸能で、小金井市無形文化財に指定されている「貫井ばやし」が、お囃子の楽しさを子どもたちに全身で受け止めてもらおうとの趣旨で、都立小金井特別支援学校の体育館を会場にした体験会を開催することになった。
 詳細はチラシをご覧いただきたいが、もちろん身体障がいの方、障がい児のきょうだいさんも、地域の小学校在籍のお子さんも参加大歓迎とのこと。お囃子の楽しさを、ひとりでも多くの子どもに知ってもらいたいと思う。
 ただ、「愛の手帳を持っている子どもたちが、まわりに気兼ねせずに、のびのびと体験出来る環境を作ってあげたい」との主催者の強い思いから、チラシに「対象を愛の手帳所持者」と記載してあることにはご理解をいただきたい。
 貫井南町発祥の貫井ばやしは、昭和40年代に一度活動を休止していた時期があったが、これを先代の会長が復活させ、現在は2代目の大澤国栄(くによし)会長が懸命に活動を続けている。その歴史と活動は以下のリンクをご参照あれ。

 この貫井ばやしが「アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)」の助成を受けたことから、「障がい児も楽しめるお囃子の体験会を開催できる会場はどこかにないだろうか」と鈴木にご相談いただいたことがこの企画の起点だ。
 そこで今年の4月に校舎の建て替え工事が完了し、仮移転先から桜町に戻ってきた都立小金井特別支援学校に相談をさせていただいたところ、その趣旨にご理解をいただけたことから、今般開催が決定したという次第である。
 鈴木自身にとってもこの体験会は、小金井特別支援学校体育館の地域解放・交流事業の第1号となること、また、鈴木の次男が、小・中学校を通し9年間通った母校と、愛する地元の伝統芸能をつなぐイベントに関わる大変ありがたいチャンスをいただけたと感謝している。 
 しかし、イベントの決定から開催日まで間がないため、市の後援申請などの行うことができず、告知が行きわたらないことが一番の気がかりだ。チラシの配布は、主には市内小・中学校特別支援学級、近隣の特別支援学校、就労移行支援事業所、放課後等デイサービス事業所、児童発達支援事業所などを対象に手渡しでの告知をしたいと考えている。
 「配ってもいいよ」という方、事業所をご紹介ください。お声掛けいただければ、鈴木がチラシをお届けします。どうか皆さまのご協力をお願いします。



2018年9月6日木曜日

開設5年目の「きらり」は実施事業の精査と見直しを(一般質問から)

9月4日に行った一般質問では今年10月に開設5年を迎える児童発達支援センターきらりの実施事業の精査と見直しを行わないか質問を行った。
動画配信は以下のリンクをご参照いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=HQyQQEjTPCI

Q.きらりの実施事業は利用者ニーズを満たしているか。施設を利用できていない児童のニーズ集約は?
A.第3者評価機関が実施した利用者アンケート結果から、一定程度高い評価をいただいている。まだ療育機関につながっていない発達に心配のある児童のニーズ集約は、巡回相談のようにきらりから児童の利用先に出向いていくことが必要な方策と考えている。
Q.巡回相談の現状と課題解消に向けた考え、職員体制は万全か?
A.現在市内9学童へ定期的な巡回している。市内の保育施設等からの要望は認識しているが、きらり自体の利用者数も年々増加傾向で、市内の施設全てに巡回相談を行うことは、専門職の人員的にも、施設キャパシティー的にも現状では難しい。今後は人員・施設ともに余裕がない中、どういった方法で計画に沿い実施できるかが課題。
Q.一時預かり事業の未実施は課題と認識しているが、現状は?
A.巡回相談同様、実施する部屋が確保できていない状況だが、多くのご要望をいただいている巡回相談の課題解消をまずは優先的に検討する。
Q.開設5年を機に実施事業を精査し、事業詳細計画の見直しをしないか?
A.まずは未着手事業の実施方法について、今一度検討し、また、きらりから市内の幼稚園、保育園、小中学校にいかにつながるかとの課題に重点的に取組みたい。

 以上が質問と答弁だ。質問を行う中で、きらり利用希望者が増加し、さらに多様化するニーズを受け止めるため、運営事業者や施設職員が日々懸命に対応していることに感謝を申し上げたが、今後は設置者である市の担当課が運営事業者とのコミニュケーションを密に行い、利用者保護者、電話相談、一般相談から利用者ニーズを受け止めるために必要な方策を検討し、幼・保・小の十分な連携の実現に注力すべきとの要望も伝えたところだ。市民参加で、現在ある事業詳細計画を作り上げた当時のことを思うと、今一度、市民参加により事業の見直しを行なうべきでないかとも思った一般質問だった。

2018年8月31日金曜日

自民・公明・共産・情報公開(渡辺大三議員)が反対し、副市長人事案は否決

採決の際に過半数を超える13人が退席し、会議が不成立となった8月30日の本会議場
 小金井市議会平成30年第3回定例会(9月議会)が30日に開会された。定例会冒頭に本会議即決で提案されていた議案第65号「副市長の選任に関し同意を求めることについて」は、この日の本会議で採決が諮られたが、自由民主党党・信頼の小金井(議長は通常は採決に加わらないため4)、小金井市議会公明党(4)、日本共産党小金井市議団(4)、情報公開こがねい・渡辺大三議員(1)の合計13人が議場を退席したため、定足数を欠く状況となり議長は小金井市議会会議規則に基づき休憩を宣告し、その後会議時間の17時を超えたため流会となった。この時のYouTubeは・・
https://www.youtube.com/watch?v=l6Q50swrdZ8  

翌31日に再開された本会議で採決が行われた結果
反対13人=30日に退席した議員
賛成10人=こがおも・白井(1)、生活者ネット・田頭(1)、市民カエル・片山(1)、緑・つながる・坂井(1)、市民会議・斎藤(1)、改革連合・篠原(1)、こがあす・沖浦(1)、みらい・鈴木、村山、岸田(3)
で否決と決定した。
この時の動画は以下のURLの1分20秒近辺をご参照いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=l6Q50swrdZ8

 本会議が過半数を超える退席により休憩→流会となり、翌日の本会議で否決に至った経過と理由は、採決に先立ち開かれた議会運営委員会での各委員の意見表明が参考になるはずだ。
https://www.youtube.com/watch?v=FsY1X3j7hWE

2018年8月3日金曜日

まだまだ人手が足らず、知られていない・・西日本豪雨災害ボランティア体験

 7月25日から26日にかけて、豪雨災害の被災地岡山県倉敷市真備地区に災害支援ボランティアに入らせていただいた。立憲民主党東京都連が企画、西澤圭太都議会議員がリーダーとなり主に都内の区議会議員と市議会議員が参加した。被災地での受け入れと現地でのコーディネートは立憲民主党岡山県連で、今回は鳥井良輔県会議員事務所を拠点に地元の高井崇志衆議院議員を中心に活動のご支援をいただいた。
 今回の豪雨災害で被災した方や地域の1日も早い復旧・復興をお祈りするとともに、犠牲になられた方には心よりご冥福をお祈り申し上げたい。
 わずか1日だったが、多くの気づきを与えてくれた活動の記録である。
 新宿での集合前は、市の職員有志と赤十字奉仕団が行った災害義援金募金のお手伝いを武蔵小金井駅で。多くの皆様にご協力をいただき感謝申し上げます。
 建物前の街頭演説に参加したことはあるが、利用者としては初めてのバスタ新宿が集合場所。
 立憲民主党東京都連が企画した夜行日帰り弾丸ボランティアツアーで、行きは長距離夜行バスで21:30バスタ新宿発。
 人生初の3列シート、トイレ付き高速夜行バス。シートはかなり倒せるのでポジションを決めてしまえば結構快適でリラックスできるバス旅だった。
 休憩は足柄SAのみ。あとは乗務員交代のための運転停車のみで、途中津山駅、岡山駅を経由して終点の倉敷駅は翌朝8:15着。
 倉敷到着後は立憲民主党岡山県連災害対策本部となっている鳥井良輔県議の事務所で準備、高井崇志衆議院議員より状況の説明を受けたのち災害ボランティアセンターへ。

 ツアー参加者は西澤圭太都議をリーダーに都内の区議、市議など14人全員がボランティアセンター前で。作業前なので皆さん元気である。
まずは体育館に入る前にテープに名前を記入し名札にする。
体育館内の受付で住所氏名等を記入する。

 説明と注意を聞くこの場所には椅子が5列並べてある。この5人が活動班となり、最後まで一緒に活動することになる。リーダーと時計係(タイムキーパー)を決めておき、タイムキーパーは作業と休憩時間を管理して熱中症を予防する工夫だ。
 その後大型バスに乗り込み各サテライトに向かう。マスクやゴーグル、手袋等の不足があればここで支給を受けることもできる。ペットボトルの水のサービスもあり、まさに至れりつくせりの対応だった。

ボランティア受入れ体制が秀逸。小金井も学ぶべき

 倉敷市の災害ボランティアセンターは中国能力開発大学におかれ、校庭が駐車場として、体育館が受付と説明会場になっていた。この受付から説明、作業班わけして大型バスに分乗して3箇所あるボランティアサテライトへ向かう流れになっていた。受付から出発までの流れが非常にスムーズだったことが印象的、これは小金井でも参考にしたいところだ。
 行政も、災害ボランティア受け入れの当事者となる社会福祉協議会も、こうした現場を見ておく必要があるのではないかと強く思う。
箭田サテライトが置かれた市役所真備支所。保健福祉会館併設が併設されている。
浸水した施設から運び出された什器類。パッカー車に直接積み込まれ処理されるものもあった。





 大型バスで派遣された真備町の箭田(やた)サテライト。到着後すぐにリーダーに住宅地図とともに作業シートが渡され、ボランティア先が指示される。リーダーは作業の指示書を元に作業するお宅(の携帯電話)に直接電話し、現場の被害状況と作業内容を聞き取り、必要な道具と資材を一輪車に乗せ、それぞれ徒歩で現場に向かう形がとられていた。
支所前の道路に出された災害ゴミの撤去作業にあたる自衛隊と報道カメラ。自衛隊の作業が入るとこのように徹底的に片付けと清掃がおこなわれる。市内いたる所でこのような光景が見られた。 
 遠くに見えるのは井原鉄道の高架橋。決壊した小田川の堤防は高架橋のはるか先になる。溢水した泥水は高架橋の方向からこちら側に流れてきたことが稲の倒れ方を見るとわかる。
 この時は気づかなかったが、溢れた川の水は写真左手のお宅の2階のベランダ手すりを超える高さに達していたことがわかった。

 ボランティア先へ向かう街中の景色。ボランティア作業で発生した災害廃棄物や泥の入った土嚢袋が道路に出され、アスファルト道路は一面堆積した泥に覆われていた。

家屋の畳や家具など主だったものはこれまでの作業で片付けられておりこの日は庭の片付けと泥出しと清掃だった。特に畳は腐敗が早いため最初に運び出す必要があるとのことだった。

 災害ゴミは一輪車で近くの空き地に設けられた集積所へ。一輪車をよく見ると鎌倉市の社会福祉協議会のものだった。現在の報道でも災害ゴミの処理が問題になっているが、近所の公園もご覧の通り。まずはこのようにしないと個人宅の処理が進まない。こうして搬出された災害ゴミは通常は異なり全てが一般廃棄物として行政による処分が求められる。


2階の床にも粒子の細かい泥が。水は刻々とこの階段を登ってきたのだ。


溢れた川の水の水位が2階の壁に残っていた。床上約150センチほどだろうか。上下の写真を見ていただくと水は2階のベランダの手すりを超える高さだったことがわかると思う。救助隊はここからボートで侵入しサッシのガラスを破って救助をおこなったのだという。


水は2階ベランダの手すりを超えた

 作業はボランティアセンターの指導通りに熱中症予防のため20分作業、10分休憩のパターンで行った。支援先では80歳のご主人と奥様、休憩時間にはご用意いただいた冷たい飲み物をいただきながら豪雨による溢水の水位が上がっていく様子をつぶさにうかがうことができた。このお宅のご夫婦は、水位が上がり2階の床上まで迫ったため、押入れに避難、その後も水位が上がり続けたためさらに上の棚によじ登って救助を待ち、停電の暗闇の中でご主人が持つ懐中電灯の明かりに気づいた救助隊のボートによりベランダから救出されたとのお話だった。
 許可をいただき、お話を伺いながら室内を拝見し写真を撮らせていただいた。塗装屋の目で見ると建物はプレハブ住宅メーカーのもので外装もしっかりと手入れされていた。浴室は最新のバリアフリータイプに、キッチンセットも使い勝手の良いものに交換され、ご夫婦が大切に住まれている様子がだった。45年間愛着を持って暮らした思い出の詰まったお宅は、最終的には解体を検討せざるを得ないとのお話に胸が痛む。
 Kさん宅で作業させていただいた5人のうちの4人。こうした状況での写真撮影は気がひけるが、「構わない、記念に撮っておいてほしい」とのご主人のお言葉に甘えて撮らせていただいた。
被災地は多様な被害を被っている
 作業後は岡山県連のご好意により被災地の視察をさせていただいた。災害廃棄物の集積場のひとつとなった真備中学校。小田川堤防の決壊箇所、避難所となった岡田小学校、隣接する総社市にある爆発したアルミリサイクル工場などを見せていただいた。

 災害廃棄物の集積場となった真備中学校の校庭。鉄くずリサイクル業者のトラックなどもあり、当初よりだいぶ分別と搬出が進んでこの状態だという。
校舎は2階床上まで浸水とのこと。時計が止まった時間は午前なのか深夜なのか。
 高架沿いにも多くの災害ゴミが。これを自衛隊や行政が処理していくのだ。高架は井原(いばら)鉄道井原線。
遠くに決壊した堤防をのぞむ。一面の田んぼを泥が覆う状態。
 堤防復旧工事7月26日現在の様子。写真右手が大きく決壊している。堤防横の住宅も当然大きな被害を受けているが、その様子が気の毒でならず、この場で公開することは避けたい。

 ダンボールベッドとパーテイション、10台のスポットクーラーが整備されて以降、避難所の環境はだいぶ改善したとのこと。撮影許可をいただき避難者のプライバシーに配慮させていただき内部の様子を記録させていただいた。原則パーティションは日中は開放しておくルールだという。

ダンボール工業組合提供のベッド。高さが生まれ安眠度合いが格段に向上したという。小金井市でもこういった団体と事前に協定を結び、災害時の避難所環境の維持を図るべきだろう。


 HUG(避難所運営ゲーム)を体験する痛感するのが避難所における情報提供の大事さだ。そうした工夫の一端を見せていただいた。倉敷市には小金井市からも職員派遣が行なわれている。



 氾濫により爆発した総社市のアルミ工場周辺の様子。警察の検証が終わらず片付けが進まないということで、片付けも出来ず生活再建が遅れていることが気がかりだ。この地域も浸水したが水位上昇前の爆発で住民が避難したため人的被害は確認されていないとの話だった。
 工場からは100メートルはある場所まで吹き飛ばされたプラントのパイプが爆発の凄まじさを表している。

まだまだ被災地支援の人出は足らない

 被害を受けた地域の復興は少しづつ進められているが、住み慣れたまちの風景が変わってしまい、被災した方々の失われた日常を思うとその喪失感は小さくないだろうと感じた。被災した学校だけでなく避難所や災害廃棄物の集積場となった小・中学校、そして特別支援学校。現時点では仕方がないのかも知れないが、こうした学校も再開の見通しが立っていない。避難所を訪問させていただいた時に子どもたちへ様々な形での支援の提供が始まっていることがわかったので一安心だが、こうした支援も含めて被災地は倉敷に限らず、まだまだ足らない状況だ。マスコミで報道されていない被災地の人手不足はもっと顕著だろう。こうした被災地の情報の共有をさらに進める必要があるのではないだろうか。
 視察させていただいたのは避難所が開設された岡田小学校の校庭。ここは高台にあり浸水被害を免れた場所だ。 


 最後に。まきび支援学校のこと

 最後に被災した倉敷まきび支援学校の話題を記しておきたい。
 Facebookでシェアされた情報では、倉敷まきび支援学校は2階まで浸水したため、今年度中の復旧が難しく(!!)在籍する児童・生徒は2学期以降、他の支援学校への通学などの対応を検討する状況だという。

 2学期は特別支援学校の児童・生徒にとっても進路選定の大切な時期だけに、通学先の変更だけでなく担任の先生が変わってしまうことに不安を覚える児童・生徒や保護者の皆さんは少なくないはずだ。またおそらく児童・生徒自身が被災しているケースもあるのだと思う。首都圏と違い地方の特別支援学校は距離が離れた場所に点在するため通学の負担も小さくないはずだ。 しかし、こうした状況はあまり報道されず、知られていない。報道が報道を呼ぶためメディアが1箇所に集中し、未知の被災地が多くできてしまうのだと思うが、こうした児童・生徒のかけがえのない日常が豪雨災害で失われてしまっていることを決して忘れるべきでないことを最後にお伝えさせていただきたい。


作業後は 倉敷駅から岡山駅へ。途中は懐かしの国鉄型で。見るたび思うが国鉄型にこの車体色は似合うのか?
 新幹線乗換の前にせっかくだからとお土産の調達のために岡山駅から外へ。そして駅前の大通りを行く路面電車を眺めてみた。少しの時間でも旅気分を味わいたいと思うのは貧乏性だからか?
 行きは高速夜行バスで11時間。帰りはコレで3時間。当然だが移動の質がまるで違う(両方好きだけど)。ほとんど瞬間移動である。



生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...