2014年10月30日木曜日

住民投票条例について(市議会臨時会のご報告)

フェスティバルコートより望んだ再開発予定地。私たち市議会は、低未利用地が駅前に 残されている理由についてもしっかりと検証し、この地域にある可能性と市民が享受できる利益について、今後も考えていく必要があると考えています。

 議案第63号 武蔵小金井駅南口第2地区市街地再開発事業係る都市計画案及び、市費の支出への賛否を問う住民投票条例案は、10月6日に招集された市議会臨時会で審査され、当初10月14日までの予定を29日まで延長し、最終日のこの日も議論が深夜にまで及び、議決は翌日30日の未明、午前1時過ぎに採決となり、本議案は反対多数で否決されました。
 私の所属する会派、小金井市議会民主党所属の鈴木しげおは、岸田正義市議とともに本条例提案には反対しました。その理由について、ここで述べておきたいと思います。
 本事業は昭和40年代から、地元市民の皆さんを中心に協議され、当初は南口第1地区・第2地区一体で検討されたものでしたが、財政の平準化のために時期をずらし、第1地区を先行して整備した経過があります。

第1地区の現状は、皆さんすでにご存じのとおりで、特に小金井市の「坂下」と言われる南部地域の市民にとって、路線バスやココバス、タクシーなどの公共交通が、駅前の交通広場に直接乗り入れ、向上した利便性とバリアフリー化は、高齢化が進む小金井市に大きな利益をもたらしていることは周知の事実です。この事業は、第1地区のみならず、第2地区地権者の皆さんの多大なご協力のもとで実現しました。
今後、残された第2地区の再開発で、新たな住民のコミュニティが誕生することで、駅南側の地域コミュニティ再生のモデルになる可能性を期待しています。
また、費用便益の検討についても、区域内だけでなく、区域外にも大きな効果が予測され、投資した補助金は、比較的短期間で回収できる見込みとの市の考えも示されています。厳しい財政状況が続く小金井市だからこそ、このままではいけません。
今こそ計画的都市基盤整備を進め、街の魅力や価値を向上させることが必要です。現在の第2地区は、駅前の好立地にも関わらず、低未利用地がほとんどで、木造家屋が多く、昭和56年以前の旧耐震建築物が約6割との調査があります。狭隘道路も多く、緊急車両の通行と、火災などの災害発生時に、消防車両の消火栓などへの水利部署が著しく困難な、防災上の課題が大きい地区となっています。このような課題が多く残っている原因の一つが、都市計画決定の遅れであることを、私たちは十分に考慮し、早急に整備に取り掛かるべきです。
この事業は、地元地権者の皆さんが、駅前に立地する地区としてのあり方について検討し、小金井市民全体の利益に資する事業として行うものです。権利者の皆さんが、自らの権利を新たな建物に変換し、全体の事業費ねん出のために保留床の売却を行う事業です。つまり地権者の皆さんが、自らの資産を公共性・公益性に照らして都市計画を変更し、資産活用するという当然の権利に基づいて行われる事業です。
私たちは、市民が施策について市民の意思を明らかにするための住民投票の権利は尊重する立場です。そして、小金井市では市民参加の手続きのひとつとして市民参加条例第16条において市民投票制度を設けています。これは、議員提案によって全会一致で可決し設置した小金井市のルールです。
しかしながら、本条例案は地方自治法第74条に根拠を置くものであり、あえて市のルールである市民参加条例の市民投票制度ではなく直接請求を用いたことは、私たち市議会に、その判断が委ねられたと受け止めています。よって、この問題は住民投票ではなく、市民代表である市議会が判断し、将来への責任を果たすべきです。
本事業の施工者である準備組合には、景観・ビル風・日影・電波障害・地下水など、周辺環境への影響調査の検討と、配慮の考え方を、周辺および市民に広く告知し、ていねいな説明を行っていただくことを改めて要望します。

2014年10月22日水曜日

つづけるということ

 今日は、小金井市障がい者福祉センター開設21周年キャンペーンのおまつりに参加しました。いえいえ、お客様としてではありません。特別支援学校を卒業したムスコが、4月から生活介護の利用者となり、保護者のひとりとして少しばかりのお手伝いをさせていただいたという訳です。
 天気はあいにくの雨。しかし、日頃から何かとお世話になっているJAむさしの「グリーンクラブ」に出店していただき、地元小金井産の野菜の販売です。この日のメンバーは日頃良く知る顔なじみもいたりして、何か嬉しい気持ちです。
 豚汁、フランクフルト、焼き鳥に焼きそば。模擬店の定番がそろい準備は万端。

雨が降り少し肌寒い天気だったので豚汁のおいしいこと。
おまつりは毎年1回、当然ですが21年の歴史があります。
センターは当初から指定管理で事業を受託しています。利用者の側としても様々な要望を施設に伝え、事業を継続する中で成長を重ねてきたものです。
 受託している社会福祉法人も、常にこれに応えて来たわけで、障がい者の日中の居場所としてだけでなく、今年10周年をむかえる障がい者自立生活支援センター機能を加えながら、様々に支援が必要な方々を支えています。地域にとって常に必要な切実な必要=ニーズの受け皿として、つづけていくことの大切さとありがたさを、今年からはひとりの利用者保護者として実感しています。
 お手伝いをさせていただきながら、たくさんの利用者の姿(含むムスコ)や、保護者の皆さんのお話を伺うことが出来ました。子どもが障がい者なわけですから、それぞれ、ひとりひとり異なる困難に向き合っています。それ以上に親の介護、ご自身の高齢化・・・常に悩みは尽きないのですね・・・。地域や行政はこうした思いにどれだけ迫れているのでしょう。まだまだ取り組むべきことがらは多くあると感じました。人ごとではなく、障がい者の親である自分自身も、しっかりとこの問題に取り組まなければなりません。多くの方との会話から、多くの気づきをいただいた一日となりました。ありがとうございました。

2014年10月6日月曜日

雨の総合防災訓練


         

 台風18号が接近する雨の日曜日の10月5日、市立第2小学校を会場に市の総合防災訓練が行われました。私は地元自主防災会役員の皆様とともに参加しました。
 これまでは8月最終日曜日に行われていた訓練ですが、残暑厳しい中の訓練を一旦見直し、涼しくなった10月に時期を移して、始めて行う訓練となりました。今回の訓練では当初より雨天でも中止せず、雨天時の訓練メニューを設定して行ったことが最大の特徴でした。時には激しい雨が打ち付ける中で、雨具を着て屋外での作業にあたった消防団や消防署、行政担当者の皆さんには過酷な訓練となりました。皆さんの活動には本当に頭が下がります。大変お疲れ様でした。

        

 雨にも関わらず予想を上回る参加者がすべてメイン会場の体育館に集まったことで、訓練、体験ブースをじっくりと見て回ることができたり、展示の担当者の話をより詳しく聞く事ができました。避難所の個別スペース確保のための自立式の間仕切りの展開の実演や、配慮が必要な方のための情報を書き出す作業などが参加者と一体で体験出来たことも今回の収穫ではないでしょうか。



 また、災害時要援護者支援事業(要避難支援者)事業の一環として配布している医療情報キットも実際に手に取れて、配布の趣旨を理解していただけた方にはその場で配布できたことも良かったと思います。また、毎回参加している聴覚障がいの方とも、手話通訳の方を通じて避難スペースやポータブルトイレなどについてのお話ができたことも貴重で嬉しい体験でした。



 近年は家族同様に、飼育しているペットの避難支援のニーズの高まりをうけて、市内獣医師会のご協力によりペット用避難グッズの展示や、個体識別用のマイクロチップの埋め込み(希望者には実際に注射を行いました)などが実演され、多くの参加者の注目を集めていたことも印象に残ります。





 ペット用にもトリアージタッグがあることを始めて知りました。混乱した現場で限られたいのちを救うための究極の選択は、人間同様ペットにも必要なのかも知れません。





 今回は雨の中、実際に雨天時メニューで初めて行った訓練ということで、戸惑うこともありましたが、実際に大災害が発生し多くの避難者が発生すれば、一時避難所である学校の体育館には多くの避難者が詰めかけるだろうし、恐らく今回の訓練会場のような混雑もあり得る、ということを実にリアルに体験出来た貴重な機会となりました。避難所開設の初動体制づくりの重要性を再び実感することができました。何人かの方とお話ししましたが、避難所のこのような混雑を体験することで避難生活の過酷さを想像していただき、避難せずに自宅に留まることがどれだけ大事なことか、市民ひとりひとりが自分で考えて備えることの大切さ、隣近所の助け合いについて考えていただくきっかけになればと思います。訓練の講評で、最後に市議会議長がお話ししていた「備えよ常に」ですね。災害は忘れる前に必ずやってきますよ。

2014年10月4日土曜日

議員はつらいよ


 小金井市議会9月定例会が昨晩終了しました。定例会終盤の9月17日に、突然市長より提案された市役所新庁舎建設計画の15年間凍結と、市役所第2庁舎の買取りの説明のために開催された全員協議会は紛糾し、第2庁舎買取りの補正予算を審議する予算特別委員会に入れぬまま、29日に議長が市長に対し、予算案の取り下げを進言し、翌30日に市長がこれを受け入れるという異例の事態になりました。この顛末の詳細は市議会リポートにありますのでご参照下さい。
 その後、本日終了予定だった決算特別委員会は、当初の日程内に終わらず継続審査となりました。議会が混迷し日程が大幅に変更されたという事情があるにしろ、一度は議会運営委員会で合意して決めた日程です。今回は決算審査を3日間で終えるための工夫として、議員ひとりの発言時間をおおよそ1時間。関連質問はしないことを申し合わせたのにです。これを守れずに決算審査が継続となってしまったことは非常に残念。審査が長引けば、それだけ部局の担当者を議会に拘束することになり業務は停滞します。議会は行政のチェック機関ですが程度問題です。毎度長時間議会で審議を行う小金井の市民満足度はどういったレベルなのでしょうか。決算審査では、職員の時間外勤務時間の削減を執拗に追求する議員が、議員個人のパフォーマンスのため(?)に、当初の予定を大幅に超過することはおかまいなし?
 まさか、そんなことはないとは思いますが。
 申し合わせた持ち時間を大幅に超過した会派は、ユーストリームを見れば一目瞭然です。興味のある方はご確認ください。http://www.ustream.tv/channel/koganeishigikai
 議会運営委員会での申し合わせは正式な確認事項ではないことが理由? この理屈もよくわかりません。後味の悪い結末となった定例会はこうして終わりました。 
 来週6日は、武蔵小金井駅南口第2地区再開発の市の補助金約15億円の妥当性を問う住民投票を求める条例審査のための臨時会開催です。今回継続となった決算特別委員会は、10月24日の開催が検討されています。こうして議会はどこまでも続き、部局も議員も長時間議会に縛られるのです。 

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...