2017年3月17日金曜日

「障がい」についてもう一度考えてみる(障がい者が共に生活する社会をつくる市条例制定意見交換会に参加して)

                                 

 障がい者差別解消法が昨年4月1日に施行されて間もなく1年になる昨晩、小金井市の地域自立支援協議会が検討を進めている(仮)「障害者が共に生活する社会をつくる小金井市条例」(市条例)の制定に向けた意見交換会が行われた。
 協議会委員の発議で検討が始まったこの条例は、昨年12月3日の障害者週間イベントの時のシンポジウムで条例の素案が披露され、この場の参加者との意見交換で、市条例制定には当事者意見の反映と市民参加での議論を広げるため意見交換会がさらに必要との意見があり、今回3月11日の日中と昨晩の2回開催されたものだ。参加者は協議会委員の他、当事者や支援機関の職員、障がい者支援に関わる市民がいたように見受けられた。そして自立支援協議会おなじみの「UDトーク」が会議の発言をスクリーンに文字化していた。
 参加者からは、条例に障害という言葉を明記することの是非、主語が「障害者」でいいのか、障がいがない人にとっても暮らしやすい地域づくりを目指す考えかた、昨年夏の津久井やまゆり園の事件を忘れないため、事件に触れるべきではないかなどの意見が出された。
      
 条例本文では、虐待防止のためには条例で虐待を定義し、条例のもう一つの柱にすべきではないのか。学校教育での合理的配慮について、共に学ぶという理念に沿った記述が必要ではないかとの発言もあった。これは学校から児童生徒の付き添いを求められている現状を受けてのものだ。
 こうした意見の他、当事者意見の反映のためアンケートを行い、差別や配慮事例を集めることで、市民や地域への周知を図るべきとの意見も出ていた。この日参加者や協議会委員から出された意見は、新たに「障害者等への総合的な支援等」とする新たな条文を追加してここに包含するとの案も示された。またこの他にも性差別やLGBT差別にも触れるべきとの意見が出されたことも印象的だった。 
 この条例について、以前どなたかが「国が制定した条例がある上で市条例を制定するからには国の条例より踏み込んだ内容にすべきではないのか」と話されたことが強く記憶に刻まれていて、そうした意味からも市民が自由に参加できる意見交換会を開催して条例制定の参考にするプロセスは非常に重要で、今回2回の意見交換会が設定されたことを非常にありがたく感じている。
 私の次男は難治性のてんかんと重度の知的障がいを持っているため、重度重複学級で過ごした特別支援学校高等部卒業後は、就労支援型施設ではなく生活介護サービスを利用している。このムスコが将来自立して地域生活を営むためには、さらに多くの支援が必要になる。そしてもう少し先のことを考えると、この市条例が、親亡き後もムスコのような障がい者が地域でともに暮らしていける「魂」のこもった条例であってほしいと、父親として強く願っている。
 今回の参加者意見を伺って改めて思うのは、「障がい」とは一体何なのかについて、広く意見交換することの大切さだ。これを忘れてはいけないし、当事者の家族としてはこれを伝えていくべきと強く感じたひと時だった。

生きづらさを救う居場所とは (発達障がい者当事者青年Rさんのお話を聴いて)

昨日の午前中は、公民館貫井北町分館で「コロナ禍を経験して考える 人と地域がつながる共生社会」講座でした。 7 月 23 日まで 6 回連続で様々な生きづらさを抱える当事者のお話しを聞く男女共同参画講座 の第 1 回目で、講師はこれまで 3 期にわたり小金井市地域自立支援協議会...